東日本大震災

 先日、未曽有の被害をもたらした東日本大震災から、ちょうど10年が経ちました。テレビでは日本中の人が固唾を吞んで見つめた津波の映像が流れ、被災した方だけでなく、皆さんもさまざまな思いでこの10年を振り返えられたのではないでしょうか。

 東日本大震災による死者は、行方不明者・震災関連死を含めると2万2千人に上り、いまだ4万人以上の人が避難生活をされているとのこと。一口に10年と言っても、被災した方々は、本当に辛く苦労の多い日々を過ごしてこられたことと思います。特に愛する家族を失った方々は、さぞ深い悲しみを味わってこられたものと思います。一人息子を津波で奪われたある女性が、「息子を思い、悲しみを抱えて生きていきたい」と、涙ながらに話していたのが心に残りました。

 私たちは、そうした方たちを見ると「もう、悲しまないでください」と、祈らずにはいられません。なぜなら、私たちが提唱している“真のホリスティック医学”では、人間は死によって人生が終わるのではないことを明らかにしているからです。亡くなった本人は、悲しむどころか生前より元気になって、死後の世界(霊界)で生き生きと幸せに暮らしています。地上にいる家族のそばにきて、いつも家族を見守っています。家族が涙を流していれば、「私は幸せだから、もう泣かないで!」と語りかけているのです。世間でよく言われている“お迎え現象”とは、実はこうした出来事なのです。

 さらに言えば、死は永遠の別れの時ではありません。地上で築いた愛の絆は、決して消えることはありません。地上人生を終えて霊界に行けば、必ず愛する人と再会することができるようになります。すでに亡くなっている家族や友人と、再会の喜びに浸ることができるのです。震災で亡くなった人たちも、きっと、愛の絆で結ばれた人たちと再会していることでしょう。

 私たちは、愛する人を亡くして悲しんでいる方を見るたびに、心の中で次のように語りかけます ―― 「愛する人の死を悲しむ必要はありません。霊界で必ず再会することができますから、その日を楽しみにして、前向きに歩んでいってください」。

 “真のホリスティック医学”では、人間の身体に関する内容だけでなく、こうした“死の真相”についても示しています。人間は死によって肉体を脱ぎ、霊体で永遠の生活を送るようになることを明らかにしています。死によってすべてが消滅してしまうのではなく、生前と同じ心(魂)を持って、新しい生活を始めるようになるのです。死は、新しい人生の“門出の時”なのです。

 生前、障害を持っていたり、病気で苦しんでいたような人は、死によって障害も痛みもなくなり、軽やかになって自由を満喫することができるようになります。死は悲劇でも不幸でもなく、不自由な肉体から解放される“喜びの時”なのです。

 私たちは“真のホリスティック医学”が、世の中に広く普及していくことを願っています。一人でも多くの方に“死の真相”を知っていただきたいと、心から願っています。