救急救命講習会に参加しました

 日頃から、一人でも多くの方にハイレベルな健康を手にしていただくために活動している私たちでも、自分や家族が病気で倒れ、救急車を呼ぶようなことがないとは言い切れません。
 外出時に突然目の前で人が倒れたり、事件や事故で命の危険にさらされている人を目撃したりすることがあるかもしれません。“東海地震”は必ず起きると言われていますから、いつなんどき地震などの自然災害に見舞われるかもわかりません。また、最近は登山ブームで、体力を過信したお年寄りの事故や遭難が増えているということです。

 万が一、そのような不測の事態に遭遇したとき、正しい応急処置法を知っていればきっと自信を持って対処することができ、人の役に立つことができる!そう考えた私たちは、4月中旬、健康フレンドのスタッフ5人で「普通救命講習」 を受けてきました。

 場所は豊橋市中消防署。学んだのは主に“心肺蘇生法”と“AED(自動体外式除細動器)の使い方”です。参加人数は全員で26人、中には「受講は2度目」という人もいました。

 最初に消防署の方の挨拶と一通りの説明があり、その後で実際に救命措置を受けた人の再現ビデオを見ました。それから4つのグループに分かれ実技開始。私たち「健康フレンド組」は5人全員が同じグループで、そこに男性が1人加わり、6人と患者の人形が1体という構成。つきっきりで指導してくれたのは、オレンジ色のつなぎ服姿もりりしいレスキュー隊員でした。

 まず、倒れている人に「大丈夫ですか!」と両肩を叩いて呼びかけ、意識の有無を確認する。次に、「誰か来てください!」と協力者を呼ぶ。そして

①「あなたは119番に電話して、救急車を呼んでください」
②「あなたはAEDを持ってきてください」
③「あなたはお医者さんを呼んでください。他に多くの人を集めてください」 と依頼する。

 ここまでは、講習を受けなくても勇気さえあればほとんどの人ができることだと思います。問題はここからです。気道を確保して、呼吸の確認をする。呼吸がなければ人工呼吸を2回(1回1秒、3回以上やってはいけない)、続けてすぐに心臓マッサージを30回。AEDか救急車が到着するまで「人工呼吸2回と心臓マッサージ30回」をワンセットとして交互に繰り返す。

 言葉で言うのは簡単ですが、やってみると相当ハードでした。次の人と交代するまで2セットやっただけでハアハアゼイゼイのていたらく。救急車が到着するのは、平均で約6分後。その間ずっと、心臓マッサージを「強く、早く、絶え間なく」やり続けなければなりません。一人ではすぐにバテてしまうでしょう。「多くの人を集めてください」という意味が、ここにありました。

 AEDは心筋梗塞などの原因でけいれんを起こした心臓に、電気ショックを加えて震えを取り除くもので、処置が早ければ早いほど、神経後遺症が少なくてすむとのこと。日本ではAEDが全国的に普及していて、空港、駅、列車内、スーパー、Jリーグの試合会場、野球場など多くの場所に設置され、消火器と同じように居合わせた人が自由に使えるようになっています。使い方はいたって簡単です。何よりも正しい使い方を知っていること、怖がらないこと、慌てないことが一番大切なことだと思います。

 実技は段階を追って何度か同じことを繰り返すことで、しっかりと身につくようにプログラムされていました。総仕上げに、一人ずつ最初から最後まで通して練習することになり  「プールで人が倒れました」とか「家族が……」「電車の中で……」などと6人が6通りの場面を想定し、全員が救命する側の主人公になりきって見事に(?)乗り切ることができました。中でも、スタッフの一人が迫真の演技で人形にすがりつき、「お父さん、お父さーん、大丈夫!」と絶叫したのには、一同が呆気に取られました。が、次の瞬間大爆笑! さすが元演劇部、いつもはとてもおしとやかなのに思いがけないところで芸達者なところを見せてくれました。

 最後に参加者全員に修了証が手渡され、講習終了となりました。私たち5人は全員が初めての受講でしたが、「よくできました」とほめていただきました。1人だけ「前にも受講したことがあるんじゃないですか?」と指導員から尋ねられるほど上手にできた者がおりました。

 今回は5人だけの受講でしたが、いずれ全員が受ける予定です。初めは講習時間が3時間にも及ぶということで、どんなことをするのかちょっと不安でしたが、終わってみればアッという間でした。ついつい「楽しかったね!」なんて口走ってしまうほどでした。これが講習ではなく事故の現場だとしたら、楽しいはずがありません。いざという時には、怖がらず、慌てず、落ち着いて教わった通りにできるよう、時々シミュレーションする必要がありそうです。

 講習は各市町村の消防署や、自治会の行事としてやっているところもあるようですから、みなさんもぜひ参加してみてください。