地球温暖化の原因はCO₂?

 数年前より地球温暖化が国際問題となり、今では二酸化炭素の削減が世界各国の共通のテーマとなっています。日本においては、鳩山首相が就任早々「2020年までにCO₂ を90年比25%削減する」と国際公約をしました。また、アメリカ元副大統領、アル・ゴア氏は地球温暖化の危機を訴え、ノーベル平和賞を受賞しました。

 今や、「地球温暖化防止にCO₂ 削減!」を疑う人はほとんどいません。マスコミも政治家も、おそらく世界中の大半の人々の間には、「地球温暖化の原因は人間が出しているCO₂、これを削減しなければ地球は一大事になる」  こうした常識ができ上がっているのではないでしょうか。実は私たちも最初はそう考えていました。しかし環境問題について知れば知るほど、「何か変だぞ。CO₂ が原因って、本当なのだろうか? ひょっとしたら、世界中の人々が間違った情報に騙され、洗脳されているのかもしれない」  こうした思いが強くなったのです。

 “地球温暖化”と聞くと、「このままいくと2100年までに地球は最大6.4℃暑くなる。そうしたら北極の氷や南極の氷が溶けて、日本もツバルのように水浸しになるかもしれない」そう思っている方がいらっしゃるのではないでしょうか。しかしそれは真実ではありません。マスコミの影響によって多くの人々が誤解しているのです。

 IPCC (気候変動に関する政府間パネル) の報告では、100年後に2.8℃の温度上昇が妥当な数値となっています。NHKでは6.4℃と最悪のケースを報道しましたが、2.8℃と6.4℃では大きな差です。しかし先日、「研究者が地球気温データを操作して温暖化の進行を誇張していた」という捏造疑惑の記事が載っていましたから、この数値が正しいかどうか、疑わしいものです。そもそも石油はあと数十年で枯渇するといわれていますので、CO₂ の排出が100年間続くという IPCC の前提自身に矛盾があるといえます。

 日本の場合、過去100年を見ても、さほど大きく気温が上昇しているわけではありません。ただ、東京などの都市部ではヒートアイランド現象の影響で年々暑くなっていますから、それを地球温暖化と誤解している人が多いのではないかと思います。

 また、北極の氷を心配している人がいますが、北極の氷は海に浮かんでいるためその氷が全部溶けても海面水位に影響はありません。コップに入った氷が全部溶けても水位が変わらないのと同じです。南極の場合は陸地ですが、温暖化によって周りの海が温められると水蒸気が発生し、それが雪や氷となって南極大陸に積もるため氷は逆に増えるといいます。実際に南極大陸は、1950年頃には-49℃でしたが、最近では-50℃に近づいていて、気温が上昇するどころか反対に寒くなっています。北極や南極の氷が溶けて日本が水浸しになるという説には根拠がありません。

 “ツバルの問題”も同じです。ツバルの人たちが困っている映像が流れると、ほとんどの人は「島がなくなったらツバルの人たちがかわいそう」と思います。しかし一歩踏み込んで考えてみると、水没の原因は温暖化だけではないことがわかります。ツバルは珊瑚礁の上を埋め立てて造られた島なので、珊瑚礁の侵食や地盤沈下・地震による陥没、さらには干潮・満潮等々、水没にはさまざまな原因が考えられます。ツバルの人たちには気の毒ですが、数十cmの海面上昇で島の存続が危ぶまれるという状態は、“地球温暖化”が原因というより早急に何らかの手を打たなければならない“ツバル”という国自身の問題のように思います。

 そもそも本当に“地球温暖化”は一大事なのでしょうか?  地球の歴史を見ると、地球は誕生以来何度も温暖化と寒冷化を繰り返してきました。そして現代は、1600年頃の小氷河期からの回復により少しずつ温かさが戻ってきている時期です。人類が今まで経験したこともないような温暖化に向かっているのなら一大事ですが、もっともっと暖かい時期は過去に何度もありました。大騒ぎするほどの温暖化ではないのです。さらに、その原因が「人間が出している二酸化炭素にある」というのは単なる仮定の一つにすぎず、それを正当化する明確な根拠はありません。何しろ人類が誕生する遥か以前より存在してきた“地球”のことですから、真実は誰にもわかりません。世界の学者の半分が、また日本の気象学の専門家や物理学の専門家の8割がCO₂ 要因に疑問を抱いているといいますから、他の原因も十分に考えられるわけです。こうしてみると、ますます「地球温暖化=CO₂要因」という説が疑わしく思えてきます。

 数年前に日本中を沸騰させた“ダイオキシン問題”皆さんも覚えていらっしゃることと思います。「ダイオキシンは人間がつくり出した史上最強の毒物である」と連日報道され、日本中が恐怖に包まれました。政府をも巻き込み、膨大な税金が焼却炉の改造のために投入されました。しかし後になって、ダイオキシンは人間にはほとんど毒性がないことが明らかになったのです。日本中の人々が、マスコミと金儲けを企んだ一部の人間にまんまと騙されてしまいました。現在の地球温暖化ブームは、何だかあの時に似ているような……。ダイオキシン問題の “二の舞” になるのではないか?   しかも今回はそれが世界規模で進行しているのではないか?そんな気がしてなりません。

 実は、私たち人間は地球温暖化よりもっと大きな問題を抱えています。「石油があと数十年で枯渇する」これは紛れもない現実です。石油がなくなれば、産業だけでなく農業の生産性も減少し、飢餓問題はさらに深刻化してしまいます。これまで、特に先進諸国の人々は石油のおかげで経済を発展させ、際限なく物の豊かさを求めてきました。しかし今は、世界中の人々がそれを求めています。CO₂ をどう削減するかということより、本当の問題はこれから起こる“エネルギー問題”と“食糧問題”なのです。

 こうした問題は、元をただせば人間の“物欲主義とエゴ”に結びついています。人間の心の持ち方・生き方に一番の原因があるといえます。人間の心からエゴがなくならないかぎり、環境問題に限らず、これからも次々と問題が起こってくるのではないでしょうか……。