三方分山

 1月24日午前5時、まだ暗い中、今年初めての登山のために豊橋を出発しました。行き先は富士山と富士五湖の絶景ポイント  “三方分山(さんぽうぶんざん)”と“パノラマ台”です。

 富士インターにさしかかったとき、迫力満点の富士山がうっすらと浮かび上がってきました。その雄大な姿に全員が一斉に、「お~、富士山!」 と感嘆の声をあげました。電光掲示板が示す外気温度はマイナス4度。登山口の精進湖畔には厳寒の中、大勢の写真マニアがカメラをセッティングして、今やおそしと日の出を待ち構えていました。

 精進湖畔の駐車場でしっかりと身支度を整え、午前8時に登山を開始しました。ところどころ凍った精進湖の湖面には、「逆さ富士」がクッキリと映し出されていました。今まで写真でしか見たことがなかった「逆さ富士」本物はやはり迫力が違います。精進湖から眺める富士山は、手前に位置する“大室山”を抱いているように見えるところから「子抱き富士」と呼ばれています。

 三方分山まではつづら折りの山道で、ゆっくりと高度を上げていきました。傾斜のきついところもありましたが、そこは日頃から裏山で訓練している私たちのこと、息切れすることなく淡々と尾根に向かって登っていきました。途中で猟銃を持ったおじさんと出会いました。“イノシシ狩り”とのことです。

 約1時間半後、三方分山に到着しました。残念ながら期待していた雪はほんの少ししかありませんでした。しかしその代わりに大迫力の富士山が目の前にそびえ立っています。

 三方分山の頂上は、ちょっとした広場でゆったりと休むことができますが、あまり展望はよくありません。でも、葉を落とした木々に囲まれた明るい山頂からは、北側に雪におおわれ銀色に輝く南アルプスや八ヶ岳の山々が見えました。

 少し休憩した後、三方分山からパノラマ台に向かって出発しました。ずっと尾根歩きですが、アップダウンがきついコースです。今回の登山は雪山を歩くことを一つの目標にしていましたが、2箇所ほどきつい下り坂があり、もし雪が積もっていたら、アイゼンをつけてもかなり危険だったに違いありません。

 三方分山から1時間ほどで今回の登山の一番のハイライト“パノラマ台”に到着しました。去年下見に行ったスタッフから、パノラマ台の景色の素晴らしさを聞いており、期待に胸がふくらんでいましたが、目の前に広がる実際の大展望は、思い描いていた以上のものでした。あまりの絶景に全員が言葉を失ってしまいました。

 さすがパノラマ台! 澄みきって真っ青な冬の空、真っ白な富士山の全景が目の前に迫り、広大な裾野が広がっています。そして、中腹からふもとにかけて青木ヶ原樹海が深緑色の絨毯のようです。その深緑の絨毯の中に、エメラルド色の河口湖・西湖・精進湖・本栖湖の4つの湖が神秘的に配置されています。少し方角を変えると富士五湖の北側には御坂山脈が険しく迫っています。

 素晴らしい景色を見るたびに 「ハローフレンドの読者の皆さんと、この絶景の感動を共有したい!」 との思いがこみ上げてきます。
 春の新緑の季節と秋の紅葉の季節の“パノラマ台”が、健康フレンドスタッフからのお薦めです。マイカーで精進湖畔に行けば無料駐車場があります。そこから直接“パノラマ台”に登ることができます。パノラマ台の頂上までは約1時間半、装備もリュックとスニーカーで大丈夫です。ぜひぜひ一度出かけて、その感動を満喫してみてください。

 パノラマ台の頂上で1時間ほど感動の時を過ごしてから、精進湖畔まで下山し、近くの日帰り温泉で汗を流しました。その後、本栖湖まで足を伸ばしました。本栖湖の西側湖畔には、千円札の裏に印刷されている富士山のモデルスポットがあり、ちょっとした名所になっています。皆が千円札を取り出して、お札の富士山と本物の富士山を見比べていました。

 登山は心身を鍛錬し、お互いの絆を深める最高の共通の趣味です。今年の登山第1回目は、“富士山大満足コース”となりました。さて、次回はどの山に登ることになるのでしょう? もう今からワクワクしています。