愛犬タロー第2弾

 私たちの愛犬 “タロー” を紹介して以来、多くの方々から「とてもおもしろかった。ぜひまた載せてください」という嬉しい声をいただきました。そこで、ご好評にお応えして、タローについての第2弾をお届けします。

 みなさんは “スヌーピー”のマンガをご存知でしょうか? スヌーピーは50年以上も世界中の人々に愛されているキャラクターで、タローと同じビーグル犬です。犬なのに決して人間の言いなりにならない、自由気ままに生きているところが何となく憎めなくて、きっとそこが多くの人々から愛されている理由の一つなのでしょう。

 実はタローの性格は、このスヌーピーとそっくりなのです。今回は、タローの気ままな生活ぶりを紹介します。

 元の飼い主のおじいさんが亡くなって、タローが急きょ私たち健康フレンドの飼い犬となったことは前回、お話ししました。おじいさんに飼われていた時はほとんど犬小屋に繋がれていましたが、今は毎日、スタッフと一緒に裏山へ散歩に出かけています。

 ある日のこと、スタッフの一人が散歩中に、少しだけのつもりでリードをはずしてやったのです。するとタローは、あっという間に茂みの中へ……影も形も見えなくなってしまいました。慌てて「タロー、タロー」と大声で叫びましたが、戻ってくる気配はありません。

 “タローには伸び伸びと自由にさせてやりたい” というスタッフの優しい思いやりも、タローには全く通じません。「リードをはずしてもらって感謝しているだろう」――そんな期待は見事に裏切られました。「もう二度と放してなんかやるものか!」でもタローのことが心配で心配で・・・・・・。

 いつもなら1時間で戻ってくるはずのスタッフが、2時間経っても山から帰ってきません。「何かあったのだろうか?」 と皆で話していると、やっと帰ってきました。ズボンは泥だらけ、顔は汗と涙でグシャグシャ、「タローがいなくなっちゃった」とベソをかいています。それから皆で手分けして山の中を探しましたが、見つかりません。「迷子になったのだろうか?」「お菓子につられて知らない人についていってしまったのだろうか?」

 太陽が沈みかけ、皆の心も落ち込んでいる時、“ワンワン” とタローの声が……。急いで見にいくと、タローが勝手口の前でおすわりしています。そして 「僕、ただいま帰りました。お腹がすきました。ご飯をください」と言っています。「帰ってきてよかった~」――さっきまでの心配と腹立たしさはどこへやら、「よしよし」と優しく頭をなでてやりました。

 実は、事件はこれで終わったのではなく、始まりだったのです。その後、タローは山へ行くたびにあっという間に駆け出し、自由気ままに遊ぶのが日課になってしまいました。人間と犬は強い絆で結ばれると言いますが、タローの場合は全くあてはまりません。主人(私たち)とタローの間には “うす~い主従関係” しかありません。タローの勝手さにすっかり免疫ができてしまった主人(私たち)は、タローが山でいなくなっても「タロー、タロー」と数回名前を呼ぶだけで、さっさと帰るようになりました。勝手気まま犬タローは、たいてい2~3時間遊んで、夕食どきに帰ってきて “ワンワン” と。時には7時間も遊びまわり、夜11時過ぎにやっと戻ってくることもあります。タローは山でいったい何をしているのでしょうか。いまだに分かりません。

 うすい主従の絆で結ばれているタローは、冬の寒い朝、家族の中で一番遅く起き出してきます。そして “ワンワン”、「今起きました。朝ご飯をください」と催促します。この勝手気ままな性格がかわいくて、みんなから愛され続けているのです。