体力増強に速足ウォーキング

 私たち健康フレンドでは、適度な運動は心身の健康づくりに欠かせないものとして、これまでいろいろな運動法(ウォーキング・登山・水泳・筋トレ・ストレッチ・ヨガ)を、皆さんに紹介してきました。その中でも特にウォーキングは、年齢を問わず誰でも簡単に取り組め、しかも時間も場所もとらない全身運動のひとつとしておすすめしています。

 先日、たけしの「みんなの家庭の医学」というテレビ番組で、“速足ウォーキング”(インターバル速歩)が紹介されました。番組では、多くの高齢者がこの“速足ウォーキング”を取り入れ、それまでの“普通のウォーキング”だけをしていたときよりも、脚力と持久力が飛躍的に向上し、生活習慣病や寝たきりの予防につながったと報告しています。

 この番組を見ていたスタッフの一人が、早速“速足ウォーキング”を体験してみました。するとこれまでのウォーキングよりも、ずっと確かな効果を実感することができ、これを機に、私たちは単なるウォーキングから“速足ウォーキング”にチェンジすることにしました。

“速足ウォーキング”とは、文字通り普段よりもスピードをつけて歩くことです。テレビでは中高齢者向けのトレーニング法として、まず“普通のウォーキング”、その後各自の体力に合った“速足ウォーキング”これを3分間ずつ繰り返すやり方が紹介されていました(※これを目安として、体力に応じて“速足ウォーキング”の時間を調節します)。片道約10~15分の距離を2往復もするとジョギングに匹敵するくらいの運動量になり、心地よい汗をかくことができます。

“速足ウォーキング”の効果を高めるためのポイントは、次のようなものです。

■正しい姿勢を保つことが重要。軽くあごを引き、背筋を伸ばして5~6m前方をみて歩く。

■歩幅を普段よりも一歩広めにとり、肘は軽く曲げて後ろにしっかりと引き、腕を振って勢いよくサッサと足を送る。

■膝や腰に負担をかけないために、必ず踵(かかと)から着地する。

■速度はいつもより呼吸が早くなる程度で、軽いジョギングの速さ。ただし、あくまでもウォーキングなので走らないようにする。

■ウォーミングアップとクールダウンは十分に行う。

■シューズは衝撃性の少ない自分の足に合ったものを選ぶ。

 このようにいろいろ説明すると、中にはめんどうだと感じる方もいらっしゃるかも知れませんが、一言でいえば「いつもより速く歩き、疲れたら“普通のウォーキ ング”に戻し、呼吸が整ったらまた“速足ウォーキング”にする」ということです。これを繰り返すだけですから、むずかしく考える必要はありません。

 “速足ウォーキング”は膝や腰に負担がかからないので、私たち中高齢者にピッタリの運動法です。そして最も良い点は、単なるウォーキングよりも確実に脚力・持久力がつき、体力を強化できるということです。

 登山やジョギングもしたいけれど体力的に無理、また従来のウォーキングや運動では物足りないと感じている方、どこでも・誰でも・簡単にできる“速足ウォーキング”を一度試してみてはいかがでしょうか。きっと、“速足ウォーキング”のすばらしい効果を実感されることでしょう!

山々にあふれる元気老人!

 先日、新聞の「読者投稿欄」に、次のような記事が載っていました。投稿したのは、日本で生活している29歳のアメリカ人男性です。

 アメリカから日本に来て2年ぐらい学んだ。毎週末、できるだけ山へ登る。驚くのは山にお年寄りがたくさんいることだ。登るのが難しい山や雪山にもいる。例えば八ヶ岳や剣岳、北岳だ。岩登りとか氷登りも上手なのでびっくりする。

 アメリカの山では若者の方が多いが、日本の山で若者と会うのは珍しい。高尾山や筑波山のような手近な山に登るのか、生活が大変なので週末はゆっくりしたいのか分からない。年をとったとき、山に興味を持つようになるのだろうか。

 アメリカのお年よりは旅行や手芸やいろいろなレジャーをするが、あまり危険なことにチャレンジしない。だからお年寄りとはのんびりするものと思っていたが、日本人のお年寄りの多くは多忙な生活を送っている。

 チャレンジを楽しんでいるのだと思う。私も年をとったら、登山をする日本人のお年寄りのような生活を送りたい。        

                          [産経新聞]談話室より

 この若者が言うように、本当に山は元気なお年寄りでいっぱいです。山小屋で話をしていると、「百名山を制覇した」とか「ヒマラヤへトレッキングに行ってきた」という話題が次々と飛び出してきます。普通は避けるような超難関コースにチャレンジしている方もいて、槍ヶ岳なんて“屁のカッパ”という感じです。

 ウェアもカラフルでとてもモダンです。ほとんどのお年寄りが足腰をサポートするタイツなど最先端の機能性ウェアをいち早く取り入れ、おしゃれに着こなしています。身支度からも、お年寄りの登山にかける意気ごみが伝わってきます。

 実は私たちは、9月に「御嶽山」「白馬岳」「甲斐駒ケ岳」の3峰を制覇してきました。どれも3000m級のなかなかハードな山です。スタッフ全員での1泊2日の白馬岳登山についてはすでにお知らせしていますが、本当は私たちの登山は白馬岳だけではなかったのです。なんと、白馬登山の1週間前には御嶽山、白馬から帰った2週間後には甲斐駒ケ岳へ行ってきました。その間に日帰りで「富士山」に登ってきたというスタッフも数人います。

 それにしても、よく体が持ったものだとつくづく思います。初めはこんなハードな予定ではなかったのですが、今年の夏のめったにない天候不順のために、3か月分の登山計画を結果的に1ヶ月ですべて実行することになってしまったのです。やってみると案外、驚くようなことができるものです。とうとう“1週間おきに百名山に登る”という快挙をなしとげてしまいました。9月の1ヶ月間だけに限っていえば、私たちはパワフルな“山女”そのものでした。山で出会う元気なお年寄りにも、決して負けてはいませんでした。

 この体験のお蔭で、登山にもかなり自信がつきました。でも、まだまだ超元気な山登り老人にはかないません。やっぱり脱帽です!! 最近の登山遭難事故の約6割がお年寄りというのも頷けます。

 私たちは、時にはハードな山に挑み、時には優しい山を目いっぱい楽しみ、あまり無理をせずに“安全第一”の登山を続けていきたいと思います。