めざせ!若々しく上品な女性

 私たちには、昨年末から全員で取り組んでいることが2つあります。それは “良い姿勢”と“美しい言葉遣い”です。姿勢と言葉遣いは、「その人を映し出す鏡」とも言われ、年齢を重ねても若々しく上品な女性を目指している私たちにとっては、必須のアイテムです。
 今回は、その取り組みについて少しご紹介したいと思います。

 昔は何かにつけ「姿勢を正しく!」と言われたものですが、最近ではパソコンやスマホのやり過ぎが原因で姿勢の悪い人や、筋肉の衰えから猫背になった年配者をよく見かけます。
 一方、背筋がピンと伸びて姿勢がきれいな人は、年を取っていても若々しく、しかも上品に映り、周りの人に好印象を与えます。同じ年齢でも姿勢の善し悪しで、受ける印象が大きく変わることを、皆さんも感じたことがあるのではないかと思います。

 「姿勢が良くて上品な人」というと思い浮かぶのは、“高円宮妃久子様”ではないでしょうか。2013年の東京オリンピック招致に向けてのスピーチは、世界中から絶賛されました。その時の凛とした美しいお姿は、同じ日本人として誇らしく感じました。「皇室の一員だから気品があるのは当然」と思われるかもしれませんが、久子様は良い姿勢を保つために、ソファーでくつろぐ時でも決して背もたれに寄りかからないように気をつけているそうです。常に多くの人の注目を集め、華やかさだけが取り沙汰されがちですが、見えないところでの不断の努力があるからこそ、人の心を惹きつけるのだと思います。

 そこで私たちも、若々しさと上品さを身につけるために、日頃から良い姿勢を心がけることにしました。ウォーキングの時はもちろんのこと、ミーティングや食事の時も背筋を伸ばすように気をつけています。しかし、知らず知らずのうちに姿勢が悪くなっていることがあり、スタッフ同士で注意し合うようにしています。猫背になったスタッフがいるとすかさず、「姿勢!」と“愛のムチ”が飛びます。その甲斐あって、以前は姿勢が悪かったスタッフも、少しずつ良い姿勢を保てるようになってきました。姿勢を良くしようと意識することで、みんなの中に緊張感が生まれ、それが若々しさと上品さにつながっていくのだと、姿勢の大切さを改めて感じています。

 “良い姿勢”と言えば、先日、産経新聞の生活欄に「腰を立てて正しく座ろう!」という記事が載っていました。それによると、近年、腰を立てて座る“立腰教育”が保育園や幼稚園、小学校で取り入れられているのだとか。

 “立腰教育”とは、「体のあり方が心に影響し、心のあり方が体にも影響する」とする禅の思想から生まれたもので、提唱者は元神戸大学教授の故・森信三氏。「腰骨を立てることで集中力が持続し、結果として忍耐力がつき、実践力が身についていく」と説いています。
 「腰骨を立てる」とは、まずお尻を思いきり後ろに突き出し、次に腰骨をできるだけ前に出して、下腹部に力を入れる座り方のことを言います。けじめをつけ、気持ちをシャンとするための座り方として全国の保育園や幼稚園でも取り入れられ、子供たちの心に良い影響を及ぼしているとのこと。まさに「鉄は熱いうちに打て」の諺どおり、幼児期にこうした正しい姿勢を身につけるのはとても大切なことで、一生の宝になるのではないでしょうか。

 私たちも、この座り方を心がけています。背筋がまっすぐ伸び、気持ちまで引き締まります。初めは少し苦痛に感じていたスタッフも、続けるうちに段々と姿勢が良くなってきました。皆さんの中で姿勢を良くしたいと思っている方がいらっしゃいましたら、実践してみてはいかがでしょうか。

 “悪い姿勢”と言えば、ちょっとショックな話があります。ヨーロッパやインドの人たちが日本人・中国人・韓国人を見たとき、「顔だけで見分けるのは難しいが、日本人は歩き方が“変”だからわかる」と言っているのだとか。どう“変”なのかというと、何と、日本人女性の背中を丸めてチョコチョコ歩く姿が、“鳩”のようだと言うのです。確かに、日本の女性の歩き方を見ると、美しいとはとても言えない人が多くいますから、そう思われても仕方ないのかもしれません……。

 世界中の人々が好意を寄せている日本なのに、私たち女性がそんなふうに見られているなんて、ガッカリです。この不名誉を挽回するためにも、ぜひとも美しい姿勢で颯爽と歩くよう心がけたいものです。

 私たちがもう一つ取り組んでいるのは、“美しい言葉遣い”です。言葉遣いは姿勢と同様、その人の人間性や品格を表し、言葉一つで受ける印象が大きく変わります。私たちも、年齢に相応しいものの言い方を身につけ、上品で心遣いのできる女性になりたいとの思いから、この取り組みを始めました。

 “言葉遣い” と言えば、最近特に気になるのは、日本語の乱れではないでしょうか。年齢や性別を問わず「マジ?」とか「超ヤバイ」といった眉をひそめたくなるような言葉が、当然のごとく使われています。また、敬語の使い方が間違っていたり、先生や上司にため口で話したりと、正しい日本語はどこへ行ったのかと嘆いている方も多いのではないかと思います。
 とは言え、私たちもいい年をしていますが、「敬語はちょっと自信がない」 というスタッフばかり。そこで、美しい日本語を身につけるためのテキストとして『できる大人のモノの言い方大全』(青春出版社)という分厚い本を購入しました。この本には、さまざまな場面での相手に応じた適格で美しい日本語が網羅されています。人とのコミュニケーションを上手にとるための「ほめる、もてなす、断る、謝る、反省する」など、相手を気遣う言葉遣いが満載。「こんな言葉を使える女性になりたい!」と思わせるフレーズがたくさん載っています。

 しかし、普段はあまり使わない言葉ですから、この本を読んだだけではなかなか身につきません。何度も復唱して自分のものにしなければ、いざという時に口から出てきません。そこで、ミーティングの時に行っていた「あいさつ訓練」 を「話し方訓練」にグレードアップしました。「こんにちは、いらっしゃいませ」といったお決まりのあいさつから、「お会いできて嬉しく存じます」 や 「いつもお心にかけていただき恐縮です」など、美しい言葉遣いに切り替えました。初めはみんな、何となく照れ臭く感じていましたが、回を重ねるごとに馴染んできて、美しい言葉遣いが心も豊かにすることを感じています。

 私たちの目標は、年を重ねても、いつまでも若々しく上品で心配りのできる女性になることです。そのためにも、“良い姿勢”と“美しい言葉遣い”を身につけられるように、これからもみんなで努力していきたいと思っています。

 甚大な被害をもたらした“熊本地震”から1か月以上が経ちました。被災された皆さまには、心よりお舞い申し上げます。今もなお頻繁に起こる余震に怯え、不自由な生活を余儀なくされている方が大勢いらっしゃることを思うと、本当に心が痛みます。一日も早く余震が治まり、穏やかな日常を取り戻すことができますよう、スタッフ一同、お祈りいたしております。