恵那山

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 6月19日、新型コロナウイルスによる、都道府県をまたぐ移動の自粛が緩和されました。皆さんの中には、この日を待っていた方がいらっしゃったのではないでしょうか。私たちも「これでやっと登山に行けるわね」と、さっそく準備に取りかかりました。
 今回は、以前から一度は登ってみたいと思っていた、中央アルプス最南端の“恵那山(えなさん2,191m)”に決定。“恵那山”は、長野県と岐阜県にまたがる山で、日本百名山に選ばれています。昔は「胞衣山(えなさん)」と書かれ、この山に天照大神が生まれた時の胞衣(えな)が納められたという伝説があったことから、この名が付けられたとのこと。信仰の山として、多くの人々に親しまれています。
 山頂への登山コースは4つありますが、今回はその中で最も短くて新しい“広河原(ひろかわら)ルート”をたどります。短いと言っても、コースタイムは7時間を超えるロングコース、しかも急登が続くハードな登山です。久々の登山とあって、みんな期待と緊張に胸を膨らませていました。                        

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 6月21日 午前6時20分、恵那山の登山者用駐車場に到着。今回は新型コロナウイルスを少し気にして、2つのグループに分け、いつもより間隔を開けて歩くことにしました。
 朝の清々しい空気をたっぷりと吸い込み、「さぁ、行くぞ!」と気合を入れて、いざ出発! 舗装された林道を元気に歩き始めました。左下には本谷川の清流がザーザーと音を立て、それを聞きながら軽快に登っていきます。

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 30分ほどで、今回のルートの出発点“広河原登山口”に到着。河原に降りると、本谷川の澄んだ水が勢いよく流れていて、そこに架けられた丸太の橋を注意して渡ります。ここからいよいよ登山の始まり、草木が茂る森の中に入っていきます。
 登山道は石がゴロゴロしていて、その両脇には大きなシダの葉が生えています。空気がヒンヤリと冷たくて気分爽快、「緑に包まれて気持ちいい!」と、自然のエネルギーを全身で感じます。足元には可憐な白い花がひっそりと咲き、それに癒されながらひたすら登っていきます。
 登山口から約1時間、みんな汗でびっしょり。すらりと伸びたカラマツの樹林帯が広がり、クマザサが木々の間を埋め尽くすように生い茂っています。そこに霧がかかり、思わず「幻想的!」と、感動の声があがりました。
 

 登山道には、300m間隔で合目を知らせる標識が立てられています。4合目を過ぎると、今度はシラカバの樹林帯、鮮やかな新緑と辺り一面を覆い尽くすクマザサの景色に、みんなうっとり。いつものように「ヤッホー」と声をかけ合いながら登っていきます。所々、展望が開け、緑の山々を眺めてはホッと一息。立ちこめていた霧が晴れると、山並みの向こうに以前登った“大川入山(おおかわいりやま)”を発見、みんな目を輝かせて見つめていました。
 歩き始めから約3時間、7合目に到着。みんなの顔に疲れが表れ、「あと少し!」と気合を入れて一歩一歩登っていきます。9合目を過ぎると「まもなく頂上よ!」の声に励まされて、最後の急登を必死に登りました。

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コイワカガミ

 10時30分、やっと山頂に到着。そこには、展望台と小さな恵那神社奥宮があります。山頂では展望は望めず、狭いのでその先の“恵那山頂避難小屋”まで進みます。途中には、日本庭園のような自然美が広がっていて、足元に濃いピンク色の“コイワカガミ”がたくさん咲いていました。

 赤い屋根の避難小屋に到着すると、みんな一斉に「ヤッター!」と歓声。緑に囲まれた避難小屋の前で長めの休憩をとりました。残念ながら、期待していた展望は望めませんでしたが、エネルギーをたっぷりと充電しました。
 11時30分、気持ちを新たにし、登ってきた道を下ります。転ばないように注意しながらゆっくりと下山します。遠くに見える山並みや眩しいほどの新緑に癒され、みんな黙々と下っていきます。沢の音が聞こえてくると、「あともう少しよ、頑張って!」の声がかかります。その声に元気をもらって頑張ろうとするのですが、しだいに足の踏ん張りが効かなくなってきました。すると突然、橋が現れ「もうすぐ登山口よ!」という安堵の声。
 午後3時20分、全員無事に駐車場に到着。総タイム9時間、走行タイムは7時間40分のハードな登山に、みんなヘトヘト。でもその顔は、達成感に満ちていました。「大変だったけど、新緑がとてもきれいだったわね」と言葉を交わし、心も体もおおいにリフレッシュすることができました。

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 先日、NHKの番組『美と若さの新常識』の中で、登山は“筋トレ・骨トレ・脳トレ”の3つの効果があることを紹介していました。私たちも、山登りは最高の運動法だと実感しています。皆さんも、晴れた日には出かけてみてはいかがでしょうか。