愛犬タロー第7弾

 昨年1月の“スタッフだより”では、ガンを宣告されたタローが“プロポリス大作戦”によって、死の淵から奇跡的に生還したことをお伝えしました。その後のタローは、年のせいもあり以前のようにとまではいきませんが、暑い夏も何とか乗り切り、毎日のご飯と散歩を楽しみに過ごしていました。衰えは感じていたものの、食欲だけは旺盛なタローを見ては「食べられるうちは大丈夫!」と、みんな安心していました。

 ところが先月、タローは急に体調を崩し、あの世へと旅立ってしまいました。そろそろタローの話題をお届けしようと思っていた矢先のことでした。タローの登場を心待ちにしてくださっている方々や、中には「タローに会いにいきたい」 と言ってくださった方もいらっしゃり、皆さんには本当に残念な報告になってしまいました。

 皆さんもご存知のように、今年の春は例年の黄砂に加え、中国からPM2.5まで舞い込み、体調を崩す人が続出しました。それは、もともと呼吸器系に疾患があったタローにとっても大きなダメージになったようです。徐々に元気がなくなり、食欲もみるみる衰え、あれほど好きだった散歩も家の回りをグルッと1周するのがやっとという状態。今までにないやつれ具合に、タローとの別れが近いことを予感しました。

 そして4月初旬、ついにその日を迎えることになりました。タローはいつものように小屋の中にいたのですが、いつの間にか、すぐ近くの1メートルほど高い場所に植えてあるアジサイの木の根元に横たわっていたのです。それはタローのお気に入りの場所。驚いたスタッフの1人が「そんなところに登って降りられなくなったら大変!」と、抱き抱えて降ろしてあげました。するとタローは、それまであまり飲まなかった水をゴクゴクと音を立てて飲み、スタッフを驚かせました。ところがちょっと目を離したすきに、またアジサイの木の根元まで移動していたのです。それを見たスタッフが、「これはタローの最期かもしれない!」と、慌ててみんなを呼びに行きました。高いところにいるタローを見て、「弱った身体のどこにそんな力が残っていたの?」と、みんなビックリ! 代わる代わる体をさすって静かに見守りました。すると一声「ウォーン」と鳴いて、間もなく息を引き取りました。その声はまるで、私たちに最期のお別れを告げているようでした。

動物は自分の死に場所を選ぶと言いますが、タローは大好きなアジサイの木の根元を選び、そして最期にちゃんと水を飲んで旅立っていきました。やっぱりタローは“自然犬”  タローの死は、自然の摂理どおり本当に安らかなものでした。
 みんなでもう一度タローにお別れをして、亡骸は裏庭に埋葬しました。

 多くの人は、愛するペットが死ぬと悲しみにくれます。動物との絆が強ければ強いほど、その寂しさは大きなものとなります。中にはそうした辛い経験から、「もうペットは飼わない」と言う人もいます。しかし私たちは、タローの死を悲しむというより、むしろ楽しみにしていることがあります。それは“タローとの再会”です。
 私たちが愛読している霊界通信によると、人間から愛されていた動物は、死んだ後もそのままの姿で霊界にいて、飼い主を出迎えてくれるそうです。人間同士の愛の関係が死後も続くように、動物への愛情も、死んでから再会するという形で実ると言います。ですから、私たちはいつの日かもう一度タローに会えることを、今から楽しみにしています。
 とは言え、勝手気ままに生きたあのタローのことですから、本当に待っていてくれるのか、ちょっと心配ですが……。

 犬小屋にはもう主はいませんが、まだそのままにしてあります。おやつの時間や昼食時には、「なんかちょーだい!」と猛アピールしていた“底なしの食いしん坊”の思い出話に花が咲きます。あのやんちゃ犬のタローは、今でも私たちを笑わせてくれています。動物が大好きなスタッフからは 「もう少ししたら、タローの二代目を飼いた~い」という声があがっていますが、「タローみたいなおもしろくて、かわいい犬がまた現れるだろうか……」と、もうしばらくはタローの余韻にひたっていたいと思っています。

 “スタッフだより”の中でも、皆さん方に大好評だった“タローの話題”は、今回が最後となってしまいました。これまでタローについての多くの感想をお寄せいただき、ありがとうございました。「タローはどうしていますか?」「元気ですか?」と、気にかけてくださいましたことに、スタッフ一同心からお礼を申しあげます。