石割山

 新しい年が明け、今年も健康フレンドの仕事に、奉仕活動に、そして登山にも精いっぱい頑張っていこうと、スタッフ全員張りきっています。
 昨年の“フレンド登山”は、雪の上高地から始まり、毛無山・焼岳・木曽駒ケ岳・念願の槍ヶ岳・天狗岳と計6回果たし、思い出をたくさんつくることができました。今年は、日本第3位の高峰“奥穂高岳 (3190m)”と“鹿島槍ヶ岳 (2889m)”に挑戦しようと思っています。どんな素晴らしい自然の造形に出会えるか、今からとても楽しみです。

 今年の初登山は  「やっぱり富士山周辺の山がいいね」ということになり、山中湖北側に連なる『石割山~平尾山~大平山~長池山を巡るコース』に決まりました。「富士山の景色を満喫するならここが1番!」と、下見をしているスタッフ一押しの絶景スポット、雪が積もっていれば“雪上トレッキング”も楽しめます。登山をするのは3ヶ月ぶり、その日が来るのをみんな心待ちにしていました。

 1月27日、雲ひとつない快晴、心配した風もなく絶好の登山日和です。東名御殿場インターチェンジを出た頃、ふと外を見ると、朝日を浴びてオレンジ色に染まった白銀の富士山  「こんなにきれいな富士山を間近に見たのは初めて!」と大感激。まるで登山の成功を予見しているようでした。

 午前7時40分、“石割山登山口”に到着。辺りは真っ白な雪景色、吐く息も白く、冷たい空気が頬を刺します。ここは石割神社の参道です。赤い鳥居をくぐると目の前に、まっすぐに延びた長~い階段が見えます。まずはこの400段の石段に挑戦  雪でガチガチに凍っていたため、さっそくアイゼンをつけてスタート。ザクッザクッと、氷の上に足を突き刺しながら登っていきます。30分ほどで登りきると、身体はもうぽかぽか、少し汗ばんできます。衣類を調節し、再び“石割山”山頂に向けて出発。ここからは本格的な登り坂、鳥の声ひとつ聞こえない静寂に包まれた山林に、雪を踏みしめるギシッギシッという音と、クマよけの鈴の音がチリンチリンと響いています。時折、先頭スタッフの「ヤッホー」 という掛け声にみんなが応えます。

 8時45分、“石割神社奥社”に到着。ここには“石割”という名の通り、垂直に割れた大きな岩があり、そこに太いしめ縄がつけられています。どうしたらこんなにきれいに割れるのか?  その見事さに、みんな見上げては「ホ~」と声をあげます。岩の間は通り抜けられるようになっていますが、雪が積もっていたため断念。小休憩し、再び歩き出しました。ここからは道が細くなり、林の中を黙々と登っていきます。すると突然、湖面の一部が白く凍りついた山中湖と、雪をかぶった雄大な富士山が目に飛び込んできます。先頭を行くスタッフの「もう少しで頂上よ」という声にワクワクしながら、さらに登っていきます。

 9時20分、“石割山 (1413m)”の山頂に到着  思わず「わあ~」と歓声があがります。下見をしたスタッフの言葉通り、何度も見てきた富士山の光景の中で、まさに1番。数年前に登った“鉄砲木ノ頭”からの景色を上回るものでした。富士山の全容がきれいに見え、左下には青く輝いた山中湖、手前には目指す平尾山と大平山、そして富士山の右手遥か先には雪に覆われた南アルプスの山々が連なっています。雲ひとつない真っ青な空に雪化粧をした富士山、キラキラと輝く山中湖が何とも美しく、“これぞ富士山!”と叫びたくなるような絶景に、しばらく見とれていました。景色を十分満喫し、次の“平尾山”に向かいます。

 正面に富士山を眺めながら、雪に覆われた石割山の急な斜面を慎重に下っていきます。時々吹く冷たい風に気温の低さを感じました。さらに緩やかな下り坂が続き、少し登ると“平尾山 (1290m)”山頂に到着。ここでの景色もまた素晴らしく、山頂からは富士山のふもとにある忍野村 (おしのむら) の全貌や、次に目指す“大平山”の頂がくっきりと見えます。

 10時35分、“大平山”に向けてスタート。足元に注意しながら、雪の積もった急な登山道を下っていきます。雪の隙間から丸太が覗き、そこが木の階段であることがわかりました。登山者らによって踏み固められた細い道をたどりながら登ったり下ったり、ふと気が付くと、道の両脇にシカよけの柵が長く敷かれていました。一面雪で覆われた緩やかな傾斜を登り切ると、再び富士山の大絶景、“大平山 (1296m)”の頂上に到着です。明るく開けた山頂からの眺めは、まさに大パノラマ。
 ここでゆっくりと昼食、雄大な富士山を眺めながら食べたおにぎりの味は、また格別においしく感じました。

 11時50分、下山開始。滑らないようにしっかりと雪を踏みしめて下っていきます。“長池山”を通過し、普段では味わえない雪上トレッキングを存分に楽しみました。午後1時15分、山中湖畔の“大出山入口バス停”に到着。全行程5時間半、今年最初の登山が無事終了しました。山頂から見た山中湖もきれいでしたが、湖面をゆっくりと走る遊覧船や、白鳥が優雅に泳ぐ湖畔からの眺めもまた美しく、年明けにふさわしい登山となりました。

 帰りの車中からも富士山がくっきりと見え、その雄姿からは噴火が迫っていることなど、みじんも感じられません。「今日の景色を、しっかりと目に焼き付けておこう!」と心に誓って、帰路に着きました。
 富士山の大絶景が眺められる“石割山”は、私たち一押しのビュースポットです。1時間半ほどで登頂できますので、暖かくなったらぜひ皆さんも登って、素晴らしい景色を味わってみてください。