4つの柱と食生活改善

 最近、健康に関するテレビ番組が増えてきました。皆さんの中には、こうした番組を楽しみに観ていらっしゃる方が多いのではないでしょうか。

 健康に関わる仕事に携わっている私たちも、健康番組はなるべく観るようにしていますが、その内容は相変わらず単一的な健康法やダイエット法、慢性痛の改善法や“名医”と呼ばれる医師の紹介など、どの局も似たようなものばかり。なかには、運動の効果に注目していたり、最新の研究結果を紹介しているものもありますが、いまだに肉食を勧めているものもあります。そして、そうした番組を観た方から「これはどうでしょうか?」といった質問を受けることもしばしば。そこで今回は健康について、私たち健康フレンドの見解を簡単に述べてみたいと思います。

 現代医学と言えば“西洋医学”、どこの病院でも必ず西洋医学による治療が施されます。西洋医学では、人体を複雑な機械と見なし、病気はその部品の欠陥であり、治療はその部品の異常を治したり取り換えることであると考えます。ガン細胞の切除や臓器移植がいい例です。医師はさまざまな検査を行い、その検査結果から診断を下します。検査値に異常があれば「病気」、そうでなければ「健康」と見なし、「病人」か「健康人」かのどちらかに分けます。

 しかし実際には、健康診断や人間ドックで“異常なし”と言われた人でも病気が進行していることがありますし、数ヵ月もしないうちに急死するようなことも起こっています。
 こうした西洋医学に対し“ホリスティック医学”では、文字どおり人間を“ホリスティック(全体的・ 総合的)”な存在としてとらえています。肉体だけの単なる部品の集合体ではなく、「霊・ 精神・ 肉体」の三位一体の存在としています。西洋医学が心や精神を脳の産物とし、「霊」については全くタブー視しているのに対して、ホリスティック医学では、どこまでも人間を「霊を含めたトータル的存在」と見なしています。

さらに人間の健康状態については   病気か健康かの2分ではなく、「さまざまなレベルがある」としています。そして病気は、その1つのレベルにすぎないと考えています。10人いれば10通りの健康レベルがある、人の数だけ健康レベルがあるということです。

 「健康」は多くの人の願いです。誰もが「病気で寝たきりになることだけは避けたい」と思っています。そのためにいろいろな健康法を試してみたり、自分に合った健康法はないものかと探したりします。書店に並べられた健康本の多さには、本当に驚かされます。

 しかし本来は、人間に特別な健康法など必要ありません。人間は、ごく自然な生活をしていれば健康維持のための生体システム(ホメオスタシス・ 免疫システム・ 自然治癒力)の働きによって健康に生きていくことができるようにつくられています。病気になるのは体質が劣化し、代謝異常が引き起こされ、生体システムの働きが阻害されているからです。その阻害要因が   「極度のストレス」「不健全・ 不自然な食生活」「有害物質の体内蓄積」「運動不足」「過労・ オーバーワーク」などです。現代人の多くがこうしたマイナスの要因によって身体全体を弱体化させ、その結果として健康レベルを下げ、病気を発症しています。病気の根本原因を探れば、大半がこれらの要因に行き着くはずです。

 つまり、健康を手にするためには、心の持ち方とライフスタイルの根本改善が必要だということです。
 ライフスタイルを改善し、健康をつくるための条件とは、次の4つです。

 この4つの条件は、人間を構成している「霊・精神・肉体」のそれぞれに対するアプローチになっています。人生を健康に過ごすためには、この4つの条件をすべて満たすことが必要となります(*体内に蓄積された有害物質は、健全な食生活・適度な運動・十分な休養によってスムーズに排泄されるようになります)。世間では、“食だけ・ 運動だけ”の健康法が多く見られますが、それだけを熱心に実践していても、決して健康を手にすることはできません。「心・食・運動・休養の4つの柱をすべて同時に高めるように努力する」 こうしたトータル的アプローチこそ、健康の秘訣と言えます。

 さらに“ホリスティック健康学”では、これらが健康に及ぼす影響の割合も明らかにしています。「心・食・運動・休養」の割合は「4:2:2:2」であり、“心”が健康に最も大きな影響力を持っています。それは人々が考えるよりずっと大きく、健康になるためには“心の健全さ”を外すことはできません。

 私たちが提唱している“ホリスティック栄養学”とは、このホリスティック医学・健康学の中における栄養学的分野です。食生活の根本改善を図り、食の栄養状態を強化して、さまざまな肉体の問題を栄養の面から解決しようとするものです。簡単に言えば、「健康のための4つの条件」の中の“食”の部分を完璧にしようというもの。そしてその原則は 「細胞の正常な働きに必要な栄養素は、毎日の食事から摂取する」ということです。サプリメントの摂取を重要視している人が多くいますが、サプリメントはあくまでも食事の補足として用いるものです。

 現代における慢性疾患の蔓延は、「欧米型の食事」が原因となっています。それは欧米型の食事が普及するにともない、どこの国においても共通の病気が発生していることから明らかです。“肉食”を中心とした欧米型の食事は、深刻な必須栄養素の欠乏を引き起こし、細胞の機能を低下させます。多くの人が当たり前のようにしている肉食中心の食生活が、現代病を招いているのです。
 健康を取り戻すためには、間違った食生活を改め、かつて日本人がしていた健全な食事 「伝統食」に戻すことが必要です。とは言っても、単に昔の食事(伝統食)の真似をすればいいというものではありません。現代栄養学の最新の知識を応用して伝統食の利点を引き上げ、さらに強力にした「新・伝統食」にする  これが、ホリスティック栄養学が目指す食生活改善です。
 そのポイントは次のようになっています。

 この10のポイントのうち、①~④は健康にマイナスをもたらす食品・排除すべき食品です(*オメガ3脂肪酸だけは補給する必要があります)。⑤~⑩は健康にプラスとなる食品・積極的に摂りたい食品です。

 日本は現在、「世界一の長寿国」と言われています。しかし、認知症や生活習慣病が増え続け、国民の3分の2はガン・心臓病・脳卒中で亡くなっているというのが実状。「世界一の長寿国」といっても、それが日本人の健康レベルの高さをストレートに示しているわけではありません。現実は、大半の人が病気寸前の健康レベル、いつ本当の病気になってもおかしくないような危険な状態に置かれています。

 私たちの願いは、一刻も早く本物の “ホリスティック医学”、そしてそれに基づく “ホリスティック健康学・ ホリスティック栄養学” が普及していくことです。そして一人でも多くの方が間違った食生活を改め、ハイレベルの健康を手にしてくださることを願っています。そのために必要なサポートを精いっぱいし、皆さんとともに健康で充実した人生を歩んでいきたいと思っています。