ペパーミントティーが完成

 月日が経つのは本当に早いもので、今年も残すところあとわずかとなりました。
 一年を振り返ると、いろいろなことが蘇ってきます。中でも、山中教授のノーベル賞受賞は日本中に希望をもたらした嬉しいニュースでした。「人のために役に立ちたい」という純粋な思いから努力を積み重ねてきた山中氏の姿勢は、多くの人々に感動を与えました。
 皆さんは、どのような一年でしたでしょうか。

 私たち健康フレンドにとって、今年一番の出来事は何と言っても、自分たちだけで手がけたオリジナル商品“ペパーミントティー”の完成です。発売してすぐにお客様から「こんなに香りが強く、優しくて爽やかなペパーミントティーは飲んだことがなかった」とか、「出がらしの茶葉も細かく刻んでガーリックチャーハンやサラダに使い、捨てるところがありませんでした」といった嬉しいお便りをたくさんいただきました。
 そこで今回は、自信を持ってお勧めできる“極上のペパーミントティー”ができ上がるまでのプロセスを少しご紹介して、今年を締めくくりたいと思います。

 今からおよそ5年前、私たちは意を決して“ペパーミント・プロジェクト”を立ち上げました。以前“スタッフだより”で「ペパーミントの効果」について紹介しましたが、実はその時にはすでにプロジェクトを結成していて、密かにペパーミント栽培にいそしんでいたのです。

 きっかけはと言うと、“スタッフだより”でも述べたように、私たちは長年、花粉や黄砂によるつらい症状を緩和させる何か良い商品はないかと、ありとあらゆるものを取り寄せては試してきました。しかしどれも多少の効果は見られたものの、「これだ!」と思うものには出会えませんでした。そうした中、忘れもしない5年前、濃い目に入れた“ペパーミントティー”に絶大な効果があることを発見したのです。ずっと前から商品として取り扱い、その効用は知っていたものの、こんなにも即効性があることに一同驚嘆。それ以来、スタッフのお茶の時間に頻繁に登場するようになりました。みんなペパーミントティーの大ファンになり、飲めば飲むほど清涼感あふれる味と香りに魅了され、全員一致で「私たちの手でペパーミントティーを作ろう!」ということになりました。そして「作るからには、どこにもない最高のものを目指そう!」と決心しました。

 とは言え、大豆やサツマイモ・ニンニクなどは毎年栽培してきましたが、ハーブについては素人も同然。その日から“ペパーミント”に関する文献や情報収集に取り掛かりました。

 私たちはまず、最高のペパーミントティーを作るための基準を決めました。除草剤や殺虫剤などの農薬は一切使わない。化学肥料や畜ふんを使わず、草木だけで作った自家製の堆肥を用いる。製品の完成まですべて自分たちの手で行うことを決意しました。

 プロジェクトのチーフが、無農薬栽培に適したペパーミントの種類や苗の仕入れ先を決めたり、栽培や乾燥方法のヒントを得るために、いくつかのハーブ園を訪ねて話を聞きました。それと並行して、使っていない一面草で覆われている畑をみんなで耕すことから始めました。まさにゼロからのスタートでした。

 さまざまな実験を経て、ブラックペパーミントを選び、乾燥方法はホールのまま味と香り、有効成分や葉の緑色をきれいに保つ“低温 ・冷風乾燥”に決定しました。さっそく私たちの規模に合った「小型冷風乾燥機」を特別注文し、畑では堆肥による土づくりと草取りをする日々が続きました。ある時には、それまで自然に生えていたノビルが大繁殖し、ペパーミント畑の半分がノビル畑に大変身  これにはみんな愕然としました。
 こうして2~3年はペパーミント栽培に適した環境づくりにエネルギーを傾け、同時に最適な乾燥温度と時間を決めるための実験を繰り返し行いました。

 昨年、いよいよ商品化できるかと誰もが期待して収穫期を迎えました。この頃には収穫や葉摘みの手作業にも慣れ、みんな試飲を心待ちにしていました。ところが結果は予想外のもの  味も香りも今ひとつ、自信を持ってお勧めできるレベルではありませんでした。私たちは改めて、納得のいくペパーミントティーを作ることの難しさを実感。改善策をいくつかあげ、さらに土づくりと雑草処理を徹底すること、そして連作をしないことを決めました。

 そして迎えた今年、みんなが意気込んでいた矢先のハプニングが  季節外れの台風の到来です。私たちの畑は太平洋をはるかに望む、森に囲まれた丘陵地帯にあり、畑にしてはもったいないほどのビューポイントです。そこに台風が直撃、順調に育っていたペパーミントの2割ほどが塩害を受けてしまいました。自然を相手にしている方々の苦労を少し実感した出来事でした。

 しかし、私たちのペパーミントはそんな被害を乗り越え、すくすくと育ち収穫の夏を迎えました。昨年までの収穫は、茎を下の方から切っていたためにまだ育っていない葉まで収穫していました。今年はそれを改め、よく育った香りの強いものだけを選び、葉が茂っている上の方を1本1本丁寧に刈り取りました。それを特製の保冷バックに入れてすぐに作業場に持ち帰り、スタッフ総出で一枚一枚葉を傷つけないように摘み取ります。部屋中に爽やかなペパーミントの香りが充満し、まるでミントのシャワーを浴びているようなこの作業は、私たちの楽しみの一つになっています。

 いよいよ試飲  ドキドキしながら全員でテーブルを囲みました。ペパーミントにお湯を注ぐとみんなの顔が一変、明らかに昨年のものとは違う強い香りに期待が大きく膨らみました。そして口にした瞬間、スーっと清涼感が広がり、これまで飲んだことのない深い味わいに一同大歓声。「これなら自信を持って“極上のペパーミントティー”と言える!」  試行錯誤の4年間が、やっと報われた瞬間でした。

 ギリシャ神話の中に、“妖精メンテ”が冥王ハーデスの妃ペルセポネによってペパーミントに変えられてしまったという話があります。これはどこまでも神話の中のことですが、私たちは、自然界のありとあらゆるところに妖精がいて、自然の営みに関わっていると信じています。よく農家の方から「愛情を掛ければ掛けただけ、作物は応えてくれる」という話を聞きますが、動物であれ植物であれ、生命(いのち)あるものはみな、人間の愛情に応えて育ちます。人間の愛情によって動物や植物との間に霊的な絆が結ばれ、その生命力を最大限に高めることができるからです。そしてそこには必ず、喜んで協力する妖精がいると思っています。

 私たちも  ペパーミントが育つよい畑になりますように……」と心を込めて作業をしたり、「元気に育ってね」と声をかけては精いっぱいの愛情を注いできました。そんな私たちのペパーミントは、妖精たちからの贈り物だと思っています。

 私たちのペパーミント・プロジェクトは、今年やっと新たな段階を踏み出すことができました。自然が相手ですから来年も同じようなものができるとは限りません。皆さまに最高のペパーミントティーをお届けし、感動していただけるように、気を抜くことなくスタッフ一丸となって、これからも頑張っていきたいと考えています。

 迎える新しい年が、皆さま方にとってさらに充実したものとなり、心の宝を積みあげる日々となりますようお祈り申し上げます。