

秋になると、豊橋の町に目立つのはお菓子屋さんの“のぼり旗” そこには“鬼まんじゅう”の文字が書かれています。豊橋市民はこの旗を見ると「秋が来たな~」と感じます。
健康フレンドのスタッフは、ほとんどが豊橋近郊の出身ですから“鬼まんじゅう”はどこの地方にもあるものと思っていました。しかし最近になって、どうやら“鬼まんじゅう”は愛知、岐阜、三重、静岡の東海地方独特のものらしいことを知りました。そこで今回は、わが郷土のお菓子“鬼まんじゅう”を全国の皆さんに紹介したいと思います。


それにしても”鬼まんじゅう“とはなんとも恐ろしいネーミング「いったいどんな具が入ったまんじゅうなの?」 と思われることでしょう。普通まんじゅうというと、中にあんこが入っている丸いものを想像しますが、“鬼まんじゅう”はそれとはちょっと形が違います。フカフカの蒸しパンの上にさつま芋の角切りをトッピングしたようなものでもありません。薄力粉と砂糖を混ぜ合わせた生地に、角切りのさつま芋を加えて蒸すだけのいたって素朴なお菓子です。主役はさつま芋で、小麦粉はあくまでつなぎです。その表面がごつごつして鬼の角やこん棒を連想させるところから、 “鬼まんじゅう”と名づけられました。

昔から豊橋近辺は、良質のさつま芋が獲れるところから芋飴の生産がさかんで、戦後すぐの頃には“たんきり飴”を作るメーカーが80軒~100軒もあったそうです。また豊橋では、ゼリー菓子が大正初期から盛んに作られるようになり、今では寒天ゼリーの80%を生産する日本一の産地で、台湾などにも輸出しています。豊橋とは切っても切れないゼリー菓子やねり飴(水飴)などの駄菓子は、この地方のおいしいさつま芋から生まれたものです。もしかしたら、皆さんの中には“鬼まんじゅう”は知らなくても、子どもの頃に豊橋産の駄菓子を食べていた方がいらっしゃるのではないでしょうか。
芋どころだからこそ生まれた“鬼まんじゅう”は、ごく庶民的なお菓子で、昔からの和菓子屋さんでは必ずといっていいほど売られています。“鬼まんじゅう”を1年中扱っているお店もあれば、さつま芋のとれるこの時期にしか扱っていないお店もあります。おいしいという評判で、午前中で売り切れてしまうお店もあります。お店によって大きさも味も値段もまちまちです。最近では、ベーキングパウダーや白玉粉を混ぜたり、水の代わりに牛乳を入れたりと、昔よりちょっとおしゃれになってきているようです。

私たちが子どもの頃は、さつま芋が獲れる季節になると、おばあちゃんやお母さんが作ってくれる“鬼まんじゅう”を楽しみに家路を急いだものです。そして、私たちも子どもたちのおやつにシンプルでヘルシーな“鬼まんじゅう”を手作りしてきました。今でもこの季節になると無性に食べたくなります。
それでは、健康フレンドが自信を持ってお薦めする“鬼まんじゅう”のつくり方を紹介いたします。皆さんもぜひ作ってみてください。


< 材料(6個分) >
・サツマ芋 中1本(250g程度)
・全粒薄力粉 70g
・メープルシロップ 大さじ2~3
・水 大さじ2~3
< つくり方 >
① サツマ芋は皮付きのまま1cm角に切る(水にさらさない)
② 全粒薄力粉にメープルシロップを加え、水を少しずつ入れて混ぜる。
(粉の種類によって水の量が変わるので、ダマにならずに混ざる程度で調整する)
③ ②に①を加えて混ぜる
④ 蒸気が上がった蒸し器にクッキングシートを敷き、③をスプーンですくってのせる(6個分)中火~強火で15分程度蒸す。芋に火が通っていればでき上がり
※ 圧力鍋を使う場合は、4分程度加圧します
※ 皮が気になる場合は、むいてください

基本の鬼まんじゅうの材料(分量)に、下記の材料をそれぞれ加えて同様に蒸す。
