

7月の中旬、産経新聞に次のような驚きの記事が載っていました。
「インドのプララド・ジャニ氏(83歳)は、70年間(70日間ではありません)食事もせず、排泄もしないで生きているとして、多くの人々から“生き神様”のように崇拝されている。インド国防省の研究機関がジャニ氏の身体のメカニズムを解明するために病院に入院させ、病室に監視カメラを設置し、医師団30名が24時間体制で厳重に監視する中で、15日間にわたってさまざまな調査を行った。この間、ジャニ氏は一滴の水も飲まず、トイレにも行かなかった。水に接したのは“うがいと水浴び”のときだけ。うがいの水を飲んでいないかもチェックされた。さまざまな検査が行われたが、身体は健康そのもので何の異常も見つからなかった。
国防省は、謎が解明できれば、飲食なしに兵士が生き延びる方法や貧困者の餓死対策などに応用できると期待している。医師団は、日光をエネルギー源にしているのではないかという仮説を立てている」
この記事は、人間は食べなければ生きていけないという常識を覆すもので「食」と「健康」に携わっている“健康フレンド”としては見逃すことのできない興味深い内容でした。

70年間もの長期にわたって飲食をしない(一滴の水も飲まない)、排泄もしない、というのは医学の常識からは考えられないことです。地元インドの医者の間でも「あり得ないこと! 信じられない! インチキなのでは?」という意見が根強いとのこと。他の国の医者の反応は推して知るべしといったところでしょう。
一般の日本人の感想はというと「信じられない。“うがいと水浴び”のときに絶対に水を飲んでいるに違いない」とか、「これがアメリカか日本が発表したものなら信じられるかもしれないが、インドの発表では信じられない。日本からインドに調査団を派遣して欲しい」などといった否定的な意見が多いようです。しかし、わずかですが「インドには食べないで生きている“ヨガ聖人”と呼ばれる人が大勢いる。ジャニ氏のような人がいても不思議はない」との肯定的な意見もあるようです。


先日、テレビを見ていたら衝撃的な映像が流れてきました。ご覧になった方もいらっしゃるかと思いますが、テレビ東京の番組『世界7大ミステリー 人体の奇跡SP2』の中でジャニ氏が取り上げられていたのです。ジャニ氏は身長150㎝・体重38kgという小柄な体系で、真っ赤な服装にアクセサリーを飾るといったおしゃれな出立ちで登場。女性リポーターがジャニ氏の真相を確かめるために1日密着取材をしました。その結果、食べ物はおろか一滴の水も飲まず、トイレにも行かず、汗もかかないことを確認しています。さらに、メディアとしては世界初のインド国防省の研究機関“ディパス(DIPAS)”への潜入取材にも成功しました。研究責任者のソムナース氏 (科学者) は 「厳格な科学的検証の結果、ジャニ氏の“食べない、飲まない、排泄しない”は事実であることが証明された。しかし、あらゆる検査(体重・血液検査・MRI・レントゲン……)をしたがそのメカニズムについては現段階では何も分かっていない。ジャニ氏の現象は科学の枠を超えている」と述べていました。
これは本当に凄いことです。「人間は飲まず食わずでも生きていられる。しかも70年間も元気でいられる」という信じられないような事実を最新の科学が証明したのですから。同時に「科学で解明されないことは信じない」という現代の風潮に対し、「科学の力では解明できないことが現実に起こっている」ということも証明しているといえます。
インド国防省では今後も研究を続けるとのこと、その詳細の公表が待ち望まれます。

実は、私たちはジャニ氏の記事を見たときから「ひょっとしたら本当かもしれない」と思っていました。というのも、日本にもかつて“食べない、排泄しない”女性がいたからです。それは、知る人ぞ知る明治時代の超能力者「長南年恵(ちょうなんとしえ)」です。

年恵女史の弟さんの書き残した資料によると、彼女は子供のときから少食でしたが、20歳の頃から煮炊きしたものは一切口にしなくなり、43歳で亡くなるまで食事といえばほんの少量の“生のさつまいも”をかじるだけで、それ以外は何も食べなかったということです。ジャニ氏と違うのは、少量の水を飲んだこと それも“生水”しか飲まず、弟さんが何度か試しにわざと“生水”と偽って“湯冷まし”を飲ませると、そのたびに血が出るほど吐いたといいます。それでいて頑強無比で肉付きもよく、1斗(約1升瓶10本分)や2斗の水桶を平気で提げて歩くという力持ちだったとか。(その様子を想像するだけで、何だか楽しくなってしまいます。)
年恵女史は、「医師の資格がないのに“神水”を使って病気治療と称する詐欺行為を行った」として逮捕され、監獄に60日間拘留されて官憲の厳しい取り調べを受けています。その間、ずっと見張られていましたが、「まったく食事を摂らず、排泄をすることも一切なかった」とのこと。もちろん入浴など許されませんでしたが、常に髪は清潔でよい香りがしていたといわれています。彼女はその後も2回、10日間ずつ拘留されたことがありましたが、やはり少量の水を飲んだだけで、排泄はなかったそうです。
当時の人たちは、年恵女史のことを「神女」とか「奇跡の女性」と呼び、一部の熱烈な取り巻きが新興宗教の教祖に祭り上げようとする動きさえあったということです。
そういえばジャニ氏も、常にたくさんの信者に囲まれていますから、神秘に惹かれる人間の心はいつの時代も変わらないものです。

一方、現代では、私たちの尊敬する新潟大学大学院の安保徹教授が、ご自身の著書の中で「日本にも水だけで生きている人、一日に1~2杯の青汁だけで10年も20年も生きている人がいる」と紹介し、次のように述べています。
「栄養学では一日30品目食べるように推奨していますが、あまり食べないで生きている人の場合、栄養は腸内細菌がコントロールしています。もちろん、ちゃんと普通の人と同じように動くだけのエネルギーもあります。食物繊維はバクテリアが住み着いて増殖しやすい環境を作るので、そのバクテリアが腸内で栄養になるわけです。腸内細菌叢さえしっかりしていれば栄養に不足は起こりません。人間は、心が乱れると腸内環境が悪化し腸内で栄養を作り出すことができなくなります。そのため、心が乱れた人は少食や水だけといった極限状態には入れません。ストレスの多い人が大食いをするのが良い例です。極度の少食や水だけで生活できる人は、心がいつも穏やかに保たれています」
ちなみにジャニ氏は心が穏やかどころか、かなりの“かんしゃく持ち”で有名だそうで、テレビの映像でも突然怒りだし、テレビスタッフはわけも分からず取材を中断する始末。それに比べ年恵女史はというと、明るく素直で屈託のないところから“極楽娘”と呼ばれていたそうです。
(※ジャニ氏と年恵女史には他にもさまざまなエピソードが伝えられていますが、今回は「食事と排泄」に関することだけを取り上げました。)

「仙人は霞を食べて生きながらえる」という伝説がありますが、ジャニ氏の生活はまさにその通りで、ちょっと魅力があります。チャレンジしてみたい気持ちがないわけではありませんが、食の喜びはそれにも増して魅力的です。“食の楽しみ”は神様が人間に与えてくれた“ご褒美”ではないでしょうか。やはり私たち“健康フレンド”は 「ヘルシーでおいしい食事」を追及していきたいと思います。