


2月13日(日本時間)、幻想的に演出された開会式の映像が世界中に放映されました。華やかなセレモニーの裏で、当日はオリンピック開催に反対するデモ行進が行われていたのですが、それを報道したのは一部のメディアだけでした。デモ隊の数人がヒートアップし、商店の窓ガラスを叩き割り、標識をなぎ倒し、車を破壊するなどして警官隊と衝突、逮捕者を出す騒ぎを引き起こしたのです。


暴動について地元の警察は「犯人たちは、国内外から集まった無政府主義組織ブラックブロックのメンバーで、初めから暴行や破壊を目的とした反乱分子」と発表。それに対して現地新聞の記者は「五輪招致にあたって当初6億ドルといわれていた費用が、実際には60億ドルかかっていた疑惑が浮上し、低所得者層の怒りが爆発した。多くの市民が今回の五輪に反対の声を上げている」と述べています。
バンクーバーは人口の4分の1を移民が占める土地柄で、開会式は先住民に配慮して演出されたそうですが、当の先住民は「本当の先住民の文化が反映されていない安易なものだった」と反発し、新たな火種が噴出して一触即発の空気が漂っているとのこと。この国のオリンピック事情は、メイプルシロップのように甘くはないようです。

オリンピック選手といえば、“健康そのもの”のようなイメージがありますが、最近オランダで発表された研究結果によれば 「若い頃に激しい運動をしたプロ選手の寿命は短い。それも全く運動をしない人と大差がない」とのことです。
さらに世界オリンピック委員会は 「オリンピックで活躍していたメダリストの平均寿命は、メダルを獲得できなかったオリンピック参加選手と比較すると7年から8年短い」とオリンピック選手にとってショッキングな発表をしています。“肉体の健康” を保つためには運動は欠かせませんが、体を壊すほど激しい運動をすることは間違っています。どこまでも “適度” ということが大切です。

オリンピックは元々地味なものだったのが、ロサンゼルスオリンピックから商業主義が持ち込まれ、巨額のテレビ放映権料や公式スポンサーからの莫大な協賛金が集まり大幅な黒字を出しました。そこに目をつけた多くの都市が経済効果を求めて、オリンピック招致合戦を繰り広げるようになりました。2016年の夏季オリンピックを招致しようと、IOC(国際オリンピック委員会)接待に巨額の税金を使ったものの、落選してしまった東京都の例はまだ記憶に新しいところです。
それに加えて、勝利至上主義による選手のプレッシャーや金銭問題・世界記録への挑戦・国家の威信などが絡んで“ドーピング”という問題を生み出しています。競技というものは本来、「選手と選手」「チームとチーム」の闘いであるべきなのに、国威発揚が第一の目的となっているような国もあります。

その一方で、地球上には目を覆いたくなるような悲惨な状況が展開しています。「紛争や内乱で日々、生命の危機にさらされている人々」「極貧の中で動物以下の生活を強いられ餓死していく人々」信じられないほど多くの人々が、むごい生活を送っているのです。
オリンピックを楽しむことができる人は、現在の地球上ではほんの一部の先進諸国の人間に限られます。大半の日本人は、その事実を知らずにいるのです。
もちろん、オリンピックのすべてを否定するわけではありません。選手一人ひとりは、長期間の厳しい訓練に耐え抜き、たくましい体と強い心を培うためにひたむきに努力しています。その姿勢と鍛え抜かれた技は、みんなに感動を与えてくれます。

地球人類の「魂の成長」という観点からは、今のオリンピックを手放しで賛美することはできません。偏狭な民族主義を喚起したり、人間のエゴをあおって、フェアプレイより勝利やお金を求めさせたりする傾向があることは否めません。日本はスポーツ大国を目指すのではなく、“文化先進国”を目指すべきだと考えます。やがて地球人類全体の精神性が向上したときには、今のオリンピックのようなあり方は衰退していくのではないでしょうか……。

とは言っても浅田真央ちゃんだけは、スタッフ全員で応援してしまいました。素直で上品で一途な真央ちゃんは、とても美しくて、見ている私たちにすがすがしさを与えてくれます。
本当の金メダリストは、やはり“真央ちゃん”だと思います!!


