■ NO.151 2020/02/15
昨年に続き、今年の初登山も地元の山に登ろうと、奥三河にある “明神山(みょうじんやま1,016m)” に決定しました。 “明神山” は、愛知県を代表する山として人気が高く、私たちも登るのは2回目、低山ながら難易度はアルプス級です。
1月21日、豊橋を6時半に出発。車内では「どんな山だったかしら……」と、13年前の記憶をたどりながら話に花が咲きました。“明神山” に登るコースはいくつかあり、前回は “三ツ瀬登山口” から登りましたが、今回はコースの中でも最も難易度が高いと言われている “乳岩(ちいわ)コース” を選びました。“鬼岩” “胸突八丁” “馬の背” を経て “明神山” の頂へ、そして同じ道を下山します。7時間を超えるロングコースなので、みんなの気持ちがしだいに引き締まり、あっという間に “乳岩登山口” に到着しました。
7時50分、『天竜奥三河国定公園 “乳岩峡”』の看板をバックに記念撮影をし、いざ出発! 今年の初登山とあってみんな気合十分、軽快に歩き始めました。すると目の前に一面、白っぽい岩場が広がっています。そこに足を踏み入れた途端、「そうそう、ここが終着点だったわね」と、以前の記憶が蘇ってきました。ここは、“桟敷岩(さじきいわ)” と呼ばれる凝灰岩の一枚岩で、その広さにみんなびっくり、「自然の力はすごい!」 と感動の声が上がりました。岩の横を流れる乳岩川の水が透き通っていて、心が洗われるようでした。
“桟敷岩” を通過し橋を渡ると、深い森の中に入っていきます。まっすぐに伸びた杉やヒノキが群生し、登山道の両脇には鮮やかな緑のシダが生い茂っています。鉄製の短い階段を登っていくと、やがて雑木林の向こうに乳白色の巨大な岩、“乳岩” が見えてきました。“乳岩” は、岩の天井部に乳房の形をした鍾乳石があるところからその名が付けられたとのこと。今回は “乳岩” には寄らず、少し休んで再び歩きだしました。
初めは緩やかだった傾斜がしだいにきつくなり、道いっぱいに太い木の根がくねくねと勢い良くせり出していました。それにつまずかないように注意しながらひたすら登っていきます。
9時20分、ロッククライミングの場として有名な、巨大な “鬼岩” に到着。そこはまさに、鬼のような大迫力の岩が空に向かってそそり立っています。その迫力に、みんな岩を見上げて 「すごーい!」 と、驚きの声を上げました。前回はロッククライマーがいましたが、今回は残念ながら一人もいませんでした。
登山道にも所々大きな岩があり、岩にしがみついたり、木の枝につかまって 「ヨイショ!」 と掛け声をかけたりして、必死に登っていきます。“胸突八丁” はその名の通り急登で、いつものように 「ヤッホー!」 と声をかけ合いました。時々深呼吸をしながら登って行くと、“胸突八丁の頭” に到着。眼下に奥三河の山々とエメラルドグリーンの “鳳来湖(ほうらいこ)” が見え、ホッと一息。
10時40分、三ツ瀬コースとの合流点に到着。『山頂まではあと1km』 と書かれた標識に、力が蘇ってきました。少し長めの休憩を取り、再び歩き始めると、正面に明神山の頂が見えてきます。それを指差して、みんな大喜び。クサリ場や梯子をなんとかクリアし、山頂を目指して進んでいきます。
11時30分、梯子を登ると “馬の背” に到着。馬の背の道幅は1mほどで、スリル満点。ここからの景色は素晴らしく、真っ青な空に鳳来寺山などの雄大な山々、その麓には鳳来湖が見えます。「気持ちいいわね。風がなくてほんとラッキー!」 と、みんな馬の背に立ち、絶景を満喫していました。
“馬の背” を超えてさらに進むこと20分、出発から4時間、やっと “明神山” の頂に到着。思わず 「ヤッター!」 と歓声が上がりました。山頂は雪で覆われ、カチカチに凍っていました。鉄製の展望台があり、滑って転ばないように慎重に上がると、そこは360度の大パノラマ。深緑の山々の向こうには、雪をかぶった真っ白い富士山や南アルプス・中央アルプスが見え、みんな大感激! 疲れが一気に吹き飛びました。
少し休憩し、12時5分、下山開始。危険な箇所ではストックをしまい、足元に注意しながら慎重に下っていきます。休憩を多めにとって進んでいきますが、長い下りに足の踏ん張りが段々きかなくなってきました。“鬼岩” を越え、目の前に “桟敷岩” が見えてくると、「やっと着いた~」 と一斉に安堵の声。
午後4時20分、全員無事に登山口に到着。総時間8時間30分、歩行時間は6時間50分の超ロングコースに、足は棒のよう。でもみんな「変化に富んでいて、楽しかった!」と、満面の笑みを浮かべていました。
大自然のエネルギーをたっぷりと浴び、心も体もリフレッシュした初登山。“明神山” がこんなにも楽しめる山だったことを知り、今度はみんなで “乳岩” に登ってみようと思っています。