一年を振り返って

 月日が経つのは早いもので、2023年も残すところあとわずかとなりました。一年を振り返ると、さまざまなことがありました。なかでも、ロシアとウクライナの戦争が終わらないうちに、新たにイスラエルとハマスの戦闘が始まったことは、世界中に衝撃を与えました。連日、目を覆いたくなるような悲惨な状況が報じられ、戦争がいかに愚かな行為であるのか、再度実感させられました。

 そうした中で、アメリカ・ロサンゼルスで大活躍している大谷翔平選手の姿は、多くの日本人にとって一服の清涼剤になったのではないでしょうか。実はスタッフの中に、大谷選手と同じ岩手県出身の者がいて、彼の話題になると少し鼻を高くして微笑んでいました。

 皆さんは、どのような一年でしたでしょうか。

 私たちは、今年も多くの方との出会いがあり、思い出に残る年となりました。またお便りから、皆さまが希望を持って歩んでおられるご様子に、喜びと励ましをいただきました。皆さまと深い信頼関係を築くことができ、本当に嬉しく思っています。

 先日、週刊現代(2023年10月号)に『「幸せな晩年」の大研究』と題した記事が掲載されていました。そこには、幸せな晩年を送るためには、お金や健康よりも、誰かの役に立っていると感じられる「貢献感」が大切であることが記されていました。近年の研究で、誰かのために行動する人は、そうでない人と比べて幸福度が高く、健康長寿であることが明らかになったとのこと。

 私たちも、本当にそう感じています。人生100年と言われる今、晩年をどのように過ごすべきかが重要なテーマとなっています。皆さまが、人のために奉仕する中で本当の喜びと、ハイレベルの健康を手にされることを心から願っています。

 来年も、一人でも多くの方の健康づくりのお役に立てるよう、そして皆さま方との心の絆をよりいっそう深めていけるように努めてまいります。

 迎える新しい年が、皆さま方にとって実り多い年となりますよう、心よりお祈り申し上げます。

小豆島

 猛暑の夏が過ぎ、少しずつ秋の気配を感じるようになった10月中旬、二班に分かれて香川県の小豆島へ1泊2日の旅行に出かけました。

 小豆島は、瀬戸内海の東部にある島で日本のオリーブ栽培の発祥地として知られています。伝統産業の醤油やそうめんの生産が盛んなことでも有名です。今回の旅行は、名古屋駅からバスで姫路港を目指し、そこからフェリーで小豆島に渡り名所を巡りました。皆、初めて訪れる小豆島に期待が膨らみました。

 午後1時前に姫路港に到着。フェリー乗り場には、すでに乗船を待つ車が何台も留まっていました。目の前には穏やかな瀬戸内海が広がっていて、ワクワクしながら出航時間を待ちました。しばらくすると白いフェリーがゆっくりと港に入ってきました。

 午後1時35分、いよいよ出港の時間です。バスのままフェリーに乗り、ハッチが閉まるとバスを降りて、皆展望デッキに出ました。

 姫路港は徐々に遠ざかり、航路は波もなくフェリーは白い水しぶきをあげて順調に進んでいきます。これから1時間40分のクルーズです。心地よい太陽の光とさわやかな潮風を全身に浴びて、初めて見る瀬戸内海の景色に、皆、大感激!思い思いに客室やデッキからの眺めを堪能し、心まで癒されるような贅沢な時間を過ごしました。

 午後3時20分、小豆島の福田港に入港。最初に訪れたのは、醤油の醸造所が並ぶ ‟醤の郷(ひしおのさと)”です。明治時代には400軒もの醤油蔵が軒を連ねていたとか。今でも20軒ほどが、昔ながらの木桶仕込みで醤油をつくっています。その中の一軒の醸造所を訪ねました。芳ばしい醤油の香りが漂う蔵の中で、小豆島の醤油の歴史や醸造の話しを聞きました。

 ‟醤の郷”を後にして、宿泊するホテルへ向いました。ホテルのすぐ側には ‟エンジェルロード”あります。エンジェルロードは、干潮の時に現れる砂の道で、近くの小島まで歩いて渡ることができます。ホテルに着いたのは干潮にはまだ早い時間でしたが、潮が引き始めていて歩くことができました。夕日に浮かぶエンジェルロードを背景に、皆で写真を撮り、静かな瀬戸内の夕暮れを楽しみました。

 2日目も晴天に恵まれ、ホテルの窓からもう一度、朝のエンジェルロードを眺めてホテルを出発。この日は“オリーブ公園”と、‟日本三大渓谷美”の一つに数えられている ‟寒霞渓(かんかけい)”を訪れます。

 オリーブ公園は、道の駅にもなっていて、映画「魔女の宅急便」のロケ地になったことでも知られています。公園は瀬戸内海をのぞむ小高い丘の上にあって、そこに2000本ものオリーブが植えられ、緑色の実がビッシリとついていました。畑の一角に白いギリシャ風車が建っていました。この風車は、小豆島の姉妹島になっているギリシャのミロス島との友好の印として建てられたものです。真っ青な空に白い風車が映えて、その鮮やかなコントラストに、皆目を奪われました。

 一面のオリーブ畑と晴れ渡った空、眼下に広がる瀬戸内海ののどかな景色を眺めながら、ゆっくりと園内を散策しました。

 次に訪れた‟寒霞渓”は、小豆島の中ほどにある島の最高峰で、約1300万年前の火山活動によってできた渓谷です。ここは瀬戸内海国立公園を代表する景勝地で、さまざまな奇岩や四季折々の自然が美しいことで知られています。山頂へはロープウェイで登り、そこからの眺めを楽しみました。展望台から小豆島の入江や岬、海峡を挟んだ四国まで見渡すことができました。

 山頂からバスで福田港に向い、再びフェリーで姫路港に戻り岐路につきました。

 初めて訪れた小豆島で、瀬戸内海の明るい景色に包まれてゆったりと過ごし、新たなエネルギーを充電することができました。

 今回の旅も日常を離れ、さまざまな風物や自然に触れ、皆で感動を共有し、さらに絆を深めることができました。