■ NO.153 2020/04/30
中国の武漢で発生した “新型コロナウイルス” が世界中に拡散し、それによる死者が世界全体で21.7万人 (*4月29日時点での統計) に上りました。WHO (世界保健機関) が3月11日に 「パンデミック」 を表明したときには4千人台だったのが、あっという間に約54倍にも増加してしまいました。
日本でも日に日に感染者が増え、4月7日に東京都をはじめ7都府県に 「緊急事態宣言」 が発令され、16日にはそれが全国に拡大されました。全国民に、さらなる不要不急の外出自粛や一部の施設の休業、“3つの密” を避けることなどが要請されました。これまで体験したことのない事態に見舞われ、皆さんも不自由な生活を強いられていらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、世界中で猛威を振るっている “新型コロナウイルス” について、私たちの考えを少し述べてみたいと思います。
私たちが提唱している “ホリスティック健康学” では、健康における大原則を明らかにしています。その大原則とは 「人間は、自然法則に一致した考え方・生き方をすれば自然界と調和し、健康を維持することができる」 ということです。日常生活における心の持ち方 ・生活習慣が、私たちの健康状態を決めることになるのです。
それは今、世界中を震撼させている “新型コロナウイルス” についても言えることです。ウイルスというと、人体に有害なものと思われていますが、そうではありません。人間や動物などの生命体は、ウイルスや細菌などの微生物と密接な関わりを持って生命活動をしています。微生物と共存 ・共生関係を築くことで自然界と調和し、健康を維持することができるのです。
しかし、人間の考え方 ・生き方が自己中心的で自然法則 (摂理) に反していると、無害なウイルスが健康を害する方向に変異するようになってしまいます。人間の利己的 ・自己中心的な行動が自然環境を破壊し、生態系を崩した結果、今回のような新型コロナウイルスの蔓延が起こっているのです。本来は人間と共存 ・共生関係にあるウイルスが、人間に害を及ぼす存在になってしまっているのです。
世界中の人々を恐怖に陥れている新型コロナウイルスによる感染爆発も、おそらく数年後には終息することでしょう。しかし、私たちは、健康に害をもたらすウイルスを発生させている 「根本原因」 を取り除かない限り、問題は解決しないと思っています。人類が、「摂理に反した生き方」 を改めない限り、同じような事態が引き起こされるものと考えています。
今回の新型コロナウイルスによる感染症の拡大は、人々の健康だけでなく、経済にも大きなダメージを与えることになりました。新聞やテレビでは連日、世界経済や日本経済の悪化に関する報道がなされています。海外では外出禁止令や外出制限が出され、それによってさまざまな産業がストップしました。テレビに映しだされた、人影が消えたパリやニューヨークの街並みを見て、事態の深刻さに驚いた方も多いのではないでしょうか。私たちにはそれが、地球上を覆っている “経済成長至上主義” に対する警告のようにも見えました。
新型コロナウイルスの問題を通して、私たちが本当に自覚しなければならないのは、「人類の生き方が間違っている」「経済成長だけを追い求め、利己的な生き方をしてきたそのツケが今、回ってきている」 ということです。新型コロナウイルスによる災禍は、人類の間違った生き方がつくり出した “自業自得” の結果なのです。
地球人類の自己中心性 すなわち 「自分だけが良ければいい」「人間だけが幸せならそれでいい」「他の生命体や動物はどうなってもいい」「自然環境を破壊しても自分たちの快楽が満たされればそれでいい」 というエゴ的な生き方が招いたことなのです。今回の新型コロナウイルスによる感染爆発 (世界的大流行) は必然的に起きたものであり、人類が生き方を改めるために “自然界が発している警告” だと、私たちは受け止めています。
それはちょうど、人間が不自然な生活をしてきた結果、病気になってしまったのと同じことです。「間違った生き方 ・悪い生活習慣」 が原因となって、病気に罹ってしまったのと同じことなのです。新型コロナウイルスによる感染症が世界中に蔓延している状況は、人類全体が病気に罹ってしまったようなものなのです。
私たち日本人も “地球人類の一員” として、人類の生き方が招いた苦しみを共有していかなければなりません。新型コロナウイルスの問題よりも、もっと大きな問題は、人類が物欲に支配された自己中心的な生き方をしている、ということです。人類が “魂の病” に罹ってしまっていることが問題なのです
私たちは、今回の感染症の拡大が人々にとって、これまでの生き方の間違いに気づくきっかけになってほしいと思っています。人類が経済成長至上主義から脱し、霊的 ・精神的な豊かさを優先して求め、自然界と調和した生き方をするようになってほしいと心から願っています。