食生活改善は、かつての日本の長寿村の食事をモデルにすることです。長寿村では、肉料理や油料理、加工食品はめったに食卓にのぼることはなく、穀類や多種類の野菜・豆などが摂られてきました。また、年寄りは驚くほど健康レベルが高く、80歳を超えた老人でも畑仕事を日課としていました。特別な病気で苦しむことはなく、寝たきり老人や認知症・糖尿病などの成人病とも無縁でした。長寿村の食事に代表されるかつての ‟伝統的な日本人の食事‟ が、高い健康レベルをもたらしてきました。
さまざまな不調の原因になる「欧米型の食事」
長寿村の食事の対極にあるのが、現代の常識になっている肉食中心の〝欧米型の食事″です。欧米型の食事は、肉・油・砂糖・加工食品が極端に多く、野菜が少ない ―〝高たんぱく・高脂肪・高カロリー・低食物繊維・低ビタミン・低ミネラル″という特徴があります。こうした食生活が病気を蔓延させる原因になっています。
現代栄養学と多くの点で一致している「長寿村の食事」
植物性食品中心の日本の伝統食や長寿村の食事は、現代栄養学が明らかにした科学的な理論と多くの点で一致しています。これらをモデルにして食生活改善をすれば、栄養学についてあまり神経質にならなくても、結果的に理想的な食事を組み立てることができるようになります。
■食事改善の指針・10のポイント
「食事改善10のポイント」は、昔の日本食や長寿村の食事に近づけるための指針です。
◆ ①~④の健康にマイナスになる食品を排除する
① 加工食品・インスタント食品をできるだけ減らす
こうした食品は必要な栄養素が不足しています。含まれる食品添加物の解毒にも栄養素が使われるため、日常的に摂ると慢性的な栄養不足を引きおこします。
・インスタント食品を減らすと食事づくりに手間がかかりませんか?(ホリスティック医学・健康学研究所HP)

② 脂肪・油をできるだけ減らす(オメガ3を摂る)
揚げ物や市販のマヨネーズ・バター・マーガリン・生クリームなどは摂らず。加熱調理用には酸化しにくいオリーブ油、生食用には、オメガ3の豊富な ”亜麻仁油” を使うことをお勧めします。
脂肪・油に関する最新理論(ホリスティック医学・健康学研究所HP)
- マーガリンは最悪の脂肪酸 (ホリスティック医学・健康学研究所HP)
- 油(オメガ3脂肪酸)の摂り方(ホリスティック医学・健康学研究所HP)
- 亜麻仁油(オメガ3脂肪酸)を選ぶ時の注意点(ホリスティック医学・健康学研究所HP)
③ 肉・乳製品を摂らない。卵はごく少量にする
肉を摂らなくても、豆や穀類・少量の魚介類・卵を合わせて摂ることで、必要なたんぱく質を摂ることができます。動物性食品を減らし、植物性食品中心の食事を目指しましょう。
- 「肉食」は発展途上国の人々への虐待行為(ホリスティック医学・健康学研究所HP)
- 肉を食べないから骨折するってホント?
- 牛乳が危ない!!
④ 砂糖をごく少量にする。白砂糖を摂らない
ジュースや清涼飲料水・缶コーヒー・甘いお菓子などには大量の白砂糖が含まれています。おやつには自然な甘さのドライフルーツ、さつまいもなどを摂るようにします。昆布やカツオで「だし」とれば、砂糖を使わなくて旨みの濃い料理ができます。甘味が必要な時は、少量のメープル・シロップなどを使います。
・砂糖の過剰摂取の害(ホリスティック医学・健康学研究所HP)
◆ 健康に プラスとなる食品・積極的に摂りたい食品
⑤ 主食を精製度の低い穀類にする。雑穀を加える
食事改善の第一歩は、主食を‶白米のご飯″から‶雑穀入り5分づきご飯″に変えることです。玄米は栄養面では優れていますが、消化しにくいという欠点があります。玄米を5分づき米に変えて、雑穀を混ぜた‶雑穀入り5分付きご飯″にすれば、消化がよく、雑穀に含まれるざまざまな栄養や食物繊維を摂ることができます。全粒粉のパンやパスタは、たまのお楽しみに。
・5分づき米と雑穀でパワーのある主食に(ホリスティック医学・健康学研究所HP)
⑥ 豆類を摂る。ゴマ・ナッツ類を摂る

納豆は毎日1パックは摂るようにしましょう。納豆の苦手な方は、豆腐・湯葉などの大豆製品を。大豆以外でも、煮豆・豆スープ・蒸し豆をサラダ加えるなどで摂るように心がけましょう。
ごはんにゴマをかけたり、おやつをクルミやアーモンドなどのナッツに類にすると、豆類をたっぷり摂ることができます。
・豆類は主食の一部(ホリスティック医学・健康学研究所HP)
⑦ 野菜をたっぷり摂る。果物を摂る。海藻を摂る
野菜料理を毎食のメインディッシュに!”蒸し野菜” や ”焼き野菜” などのシンプルな料理が野菜のおいしさを引き出します。生野菜もたっぷり摂りましょう。果物は消化吸収が早いので食後ではなく‶食前″に摂りましょう。ワカメ・ひじき・のりなどの海藻類やキノコ類も毎日摂りましょう。
- 副食の中心は”野菜”(ホリスティック医学・健康学研究所HP)
- 私は食が細いので野菜をたくさん食べられません・・・(ホリスティック医学・健康学研究所HP)
- 野菜をたっぷりとは、どのくらいの量を摂ればいいですか?(ホリスティック医学・健康学研究所HP)
- 子供が野菜を食べてくれませんが・・・(ホリスティック医学・健康学研究所HP)
⑧ 魚介類を少量摂る
チリメンを常備しておくと便利です。‶刺身″などの生魚も摂るようにしましょう。
・動物性食品は、多すぎないことが大切(ホリスティック医学・健康学研究所HP)
⑨ 発酵食品を常に摂る
‶みそ汁″は、最高の伝統的な日本食で、食事改善には欠かすことのできない一品。味噌や味噌をつかった料理や漬物・納豆などの「発酵食品」は、毎食摂りたい食品です。

⑩ 食材・調味料は自然で新鮮なものを使う
食材は季節のもの・旬のものを選びます。旬の野菜は味もよく栄養価も高く安価です。味噌、醤油、酢などの調味料は、なるべく添加物のない本醸造のものを選びましょう。
■メニューづくりの3つのルール
1.主食と副食の比率を守る 主食は食事全体の半分以上(約60%)を占めるように

2.食材間の比率を守る 「全体の50%の穀物」と 「10%の 豆・種子類」を合わせたものが主食

3.植物性食品と動物性食品の比率を守る 植物性食品が90%、動物性食品(魚介類)が10%

■ おすすめの食材比率
