2017/11/30
 NO.209
 
   10月になったら1泊2日の日程で “甲斐駒ヶ岳” に登る計画を立て、その日が来るのを心待ちにしていました。ところがなかなか天気が良くならず、やむなく断念。その代わりに、日帰りで “美ヶ原高原(2,034m)” をトレッキングすることにしました。
  “美ヶ原高原” は、長野県松本市の東方にある高原台地で、広さは東西に5km、南北に8kmにも及び、日本百名山に選ばれています。高原からは3000m級の山並みが一望でき、まさに “天空の台地”、年間200万人もの観光客が訪れます。
 

     

   10月26日、ようやく絶好の登山日和を迎え、「今日は高低差が少なくて、楽しいトレッキングになりそう!」 と、弾む心を押さえて豊橋を出発。松本インターチェンジを下りて一路、“美ヶ原高原自然保護センター(1,922m)” に向かいます。
  立ち込めていた霧がしだいに晴れてくると、辺りはもう紅葉が始まっていました。急な坂道をどんどん登っていくと、遠くに白銀の北アルプスの峰々が現われ、思わず 「きれい!」 と歓声が上がります。さらに登っていくと、予想外の雪景色にみんな、びっくり! 「まさか雪があるとは思わなかったわ」 と、車内は大騒ぎになりました。まもなく目の前に “美ヶ原高原” が広がり、そのスケールの大きさに胸が高鳴りました。
 


     

    午前7時45分、“美ヶ原高原自然保護センター” に到着。駐車場は一面カチカチに凍っていて、慎重に車を止めます。身支度を整え、冷たく澄んだ空気を胸いっぱいに吸い込んで、いざ出発! 雪が積もっている階段を一歩一歩踏みしめて登ります。雪の上にシカやキツネの足跡がくっきりと残っていて、大自然の中に足を踏み入れたことを実感しました。突然、「あっ、シカがいる!」 というスタッフの声に、みんな一斉にその方向を見ましたが、あっという間に去っていってしまいました。なだらかな坂を滑らないようにゆっくりと登ります。  
   8時45分、美ヶ原高原の最高峰 “王ヶ頭(おうがとう2,034m)” に到着。ここには王ヶ頭ホテルがあり、近くに巨大なテレビ塔や電波塔がいくつも立っています。美しい自然と巨大なアンテナは何ともミスマッチな風景ですが、ここからの展望は最高です。八ヶ岳に南アルプス・中央アルプス・北アルプス、遠くには御嶽山、うっすらと富士山のシルエットを見つけると、みんな目を輝かせていました。  


     

   王ヶ頭ホテルを過ぎると、“美ヶ原牧場” が広がっています。夏には何百頭もの牛が放牧されていますが、今は一面の雪景色、残念ながら牛は1頭もいませでした。牧柵に沿った遊歩道は所々凍っていて、足元をよく見て注意しながら歩きます。先頭のスタッフが、「あれが “美(うるわ)しの塔” よ!」 と指さす方を見ると、遠くに小さな塔が見えました。どこまでも広がっている高原はとても清々しく、心が洗われていくようでした。途中、本格的な冬の到来を前に、柵の修理をしている人たちが忙しそうに働いていました。
  9時50分、“美しの塔” に到着。遠目には小さく見えた塔が、意外にも大きくしっかりしていることに驚きました。“美しの塔” は、この地がよく霧に包まれることから遭難防止の道標として、また避難所として建てられ、“霧鐘” が備えられています。スタッフが鳴らしてみると、静かな高原にカランカランと鐘の音が響き渡りました。
 
     


     

    “美しの塔” を後にし、次は牛が座っているようなこんもりした形の “牛伏山(うしぶせやま1,990m)” を目指します。“ふる里館” で休憩をとり、牛の像が出迎えている道を登っていきます。
  10時35分、明るく開けた “牛伏山” 山頂に到着。そこも360度の大パノラマが望めます。東には雪をかぶった浅間山、西には北アルプスの山々がずらりと並んでいます。これまでに登った山を次々と指しては、みんな大興奮! 青い空と白い頂のコントラストがとてもきれいでした。
  雄大な景色を心ゆくまで満喫し、同じ道を王ヶ頭ホテルまで戻ります。氷が溶けた遊歩道は、大きな水たまりができていたり、さらさらと雪溶け水が流れていて、それを避けながら黙々と歩いていきます。王ヶ頭ホテルに着くと、みんなの顔に少し疲れが見えてきました。長めの休憩をとり、次は美ヶ原高原屈指のビューポイント、“王ヶ鼻(おうがはな2,008m)” を目指します。雪が溶けて小川のようになっている細い道を苦労して進みます。
 
   12時45分、“王ヶ鼻” 山頂に到着。そこは鉄平石の断崖、ここからの眺めも最高です。北アルプスはもちろんのこと、眼下には松本市街が広がっていて、疲れが一気に吹き飛びました。ふと地面を見ると、薄い板状の鉄平石が何層も重なり合っています。その荒々しさに、みんな「すごい!」と見つめていました。
  青空に映える木々を眺めながらゆっくりと下り、午後1時30分、無事駐車場に到着。総タイムは5時間半、天気に恵まれ、大絶景を十分に堪能することができました。「今度は緑に包まれた季節に訪れ、牛の放牧も見てみたいわ」と、みんな満面の笑みを浮かべていました。
 


     

     今回はトレッキングが早く終わったので、“松本城” を見学することにしました。ちょうど「お城まつり」が開催されていて、外国人など大勢の観光客で賑わっていました。
  “松本城” の見どころは五重六階の天守閣、昭和27年に国宝に指定されています。現在のような天守閣が築造されたのは文禄2年〜3年(1593年〜4年)と言われ、本丸・二の丸・三の丸が当時のまま現存する数少ない城の一つです。
 駐車場から松本城公園に入ると、黒塗りの “松本城” がドーンとそびえ、それを囲うお堀に赤い橋が掛けられています。その姿がとても凛としていて、「わあ、すてき! 立派なお城ね」 と大感激。お堀の中を覗くと、大きな鯉がたくさん集まってきては口をパクパク、その数の多さと迫力にみんな目を丸くしていました。
 
   ワクワクしながらお城に入ると、柱や床などすべてが頑丈に造られていて、現存している理由が窺えました。短銃や火縄銃などたくさんの武器が展示されていて、多くの人が興味深そうに覗き込んでいます。天守から外を眺めると、お堀の周りにいる人たちが小さく見え、ちょっとだけ戦国武将の気分を味わいます。驚いたのは細くて急勾配の階段、上るのも下るのも一苦労でした。   
  お城の外へ出ると、りりしい武将に変装した青年が待っていて、私たちも一緒に写真を撮りました。歴史の一端に触れ、まるでタイムスリップしたような楽しい時間を過ごすことができました。帰りの車窓から、ライトアップされた松本城が幻想的に浮かび上がっていて、話にまた花が咲きました。  

  今回は、大自然と歴史という異色の組み合わせでしたが、1日たっぷりと楽しみ、リフレッシュすることができました。